1 名前:昆虫図鑑 ★:2025/01/14(火) 16:21:08.19 ID:HRon2XSU.net 世間を揺るがした戒厳事態に対する問責で尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の弾劾訴追案が可決されてから1カ月が経過した。その間、国民は不安を感じ、経済は萎縮した。年末年始の期待感や気分も消えた。対外的には韓国の国家イメージにも影響があった。ひどい政治が生み出した混乱だが、実際、政治は以前とほとんど変わっていない。2つの巨大政党はこのような危機状況でもむしろ政派的利益ばかりを追って見苦しく争っている。これに便乗した敵対と憎悪、分裂の政治が路上を埋めている。状況は悪化するばかりで、彼はいったいどういう考えでこうした事故を起こしたのか、理解しがたい。 しかし今回の事態を見てつらく思うのは、いかなる形で終わっても韓国の政治は今後も何も変わらないという点だ。2016年には朴槿恵(パク・クネ)大統領の弾劾が終われば危機が終わり、とにかく新しい政治秩序につながるという希望を多くの人たちが抱いていた。しかし今回の事態ではそのような期待感が生じない。憲法裁判所で弾劾が当然認容されると期待するが、仮にそうでない場合、全国は深刻な混乱に陥ることになるだろう。国民の大多数がその適法性と権威を認めない大統領が2年余り統治する場合、国は一日も穏やかな日がないはずだ。ところが弾劾が認容されるとしても、それが昨今のこの事態を招いた根源的問題を解決し、新しい政治の出発点になるとは期待しがたい。 多くの人たちの予想通り弾劾が認容され、早期大統領選挙が実施されれば、誰かが大統領に選出されるが、顔が変わるだけで政治状況は以前と変わらないと予想される。当選した大統領は得票率が50%にもならず、またライバル候補との差がわずかであっても、国民が自分に100%権力を委任したと受け止めるだろう。勝者独占の政治が再現されるということだ。さらに巨大議席で議会を掌握した政党が帝王的と呼ばれる大統領まで輩出すれば、深刻な権力集中が生じる。こうした状況はまた別の葛藤を生み出すはずだ。半面、敗れた候補の支持者は以前に尹大統領にそうしたように、当選直後から大統領を弾劾するために虎視耽々とその機会を狙うはずだ。 任期初期には世間がすべて自分を支持するように感じるが、任期中班になると大統領の支持率は落ち、その時に選挙を迎えれば大統領と与党は苦戦する。その選挙で敗れれば大統領は政治的に窮地に追い込まれ、統治力も弱まる。さらに国会議員選挙で敗れて少数与党政局になれば、野党は共に民主党が昨年見せたのと同じ形で大統領に圧力を加えるだろう。 実際、民主化直後の1988年の第13代国会以降、少数与党が頻繁に生じたが、それが政局の破綻にまでつながることはなかった。これは野党が大統領と与党の政策主導権を認め、自身の役割を政府-与党を批判して牽制することにとどめていたからだ。このため大統領の人事に問題があっても国務委員解任建議案を可決する程度であり、予算案も大統領の公約のような象徴的政策を政治争点化して一部削減する水準だった。 しかし昨年、野党はこうした自制力を失った。野党は自らが望む政策を立法化し、解任建議案でなく多くの弾劾で大統領、そして司法府の人事権に圧力を加えて介入した。予算案も象徴的な水準でなく、一部の項目はすべてなくす水準でその威力を発揮した。野党が牽制と批判を越えて国政を主導するもう一つの権力として登場したのだ。大統領と議会が国政の主導権をめぐって互いに争う韓国の政治史で初めての状況が発生した。そしてその争いは大統領の軍動員と議会の弾劾という極端な形で終わった。今後、少数与党になれば、いつでも政局の主導権をめぐる両機構間の深刻な争いが再発しかねない。議会を掌握した野党がその力を自制せず、その結果、大統領と議会の力比べが今回のような破局的な状況にまでつながるということだ。 結果的に我々はこうした騒ぎを経験しても何も変えられず以前と同じ対立と葛藤の政治の中にまた入ることになる。ただ、無謀で時代錯誤的な決定をした一人をその場から追い出すことで終わってしまい、こうした事態をもたらした我々の政治の慢性的弊害は何一つ解決されない。子どもが幼い時に痛みを経験すれば後に成長する姿を見ることができるが、我々はこうした大きな痛みを経験しても改善が見られないという事実はさらに苦痛だ。いつまでこのような政治に耐えて生きなければいけないのだろうか。これ以上は機能しない87年の政治システムを本当に改めるべき時を迎えている。 康元沢(カン・ウォンテク)/ソウル大政治外交学部教授 引用元:…