元スレ 全てのレス 1:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/12/29(火) 17:45:34.36 :dw4FV0RtO 民が、家臣が、誰もが私を指差し口を揃えてこう言った。 「王の器ではない」 永久から続く東の帝国との大戦の最中、国政は安定せず、誰もが飢えに苦しんでいた。勿論の事、国民はその責任を父上に押し付けデモを行い、あまつさえ狂った愚か者を殺せと罵詈雑言を浴びせ、その混乱に便乗した帝国の刺客により父上は毒を盛られ暗殺された。 そうして第一王位継承者である私が王位を継ぐことになった。 当時私は19歳。民は若き王に対し不安を露にしデモはより過激になった。私自身、自分が王に相応しくない事は理解していた。どんなに頑張ろうと私が王国を復興させることは不可能である事も。 だがある日の事である。私は天啓を得た。それはまさしく狂気に満ちた自己満足の提案。だが私はそれを甘んじて受け入れた。それはきっと間違いだったのだろうけど。国の再興だけをねがって。 これは愚王であり狂王であった私の独り善がりな懺悔である。…