「原告は、都合により」、詳しい理由は記載されていない。ただ、裁判記録をめくっていくと、松本氏側が自ら終止符を打った理由が見えてきた。 松本氏は「女性のLINEアカウント」も文春側に要求 この裁判は、開始段階から先行きが怪しかったのかもしれない。 松本氏側が提出した「訴状」には、賠償額について「筆舌に尽くし難い精神的損害を受けたのであるから、原告が受けた精神的苦痛に対する慰謝料は5億円を下らない」と書かれていた。しかし、約5億円もの高額を請求しているのに、その内訳は不明のまま。 松本氏が性加害をしていないということを立証する証拠はなく、週刊文春の該当ページを引用して「原告の名誉を毀損するものであることは明らか」と主張するだけ。松本氏が性加害をしていないことなどを具体的に説明せず、あまりにも歯切れが悪いのだ。 さらに、松本氏側は「準備書面1」(2024年3月28日付け)で「審理の迅速化」と「記憶喚起」を理由に、記事上で「A子さん」「B子さん」と氏名が伏せられていた被害者とされる女性の氏名だけではなく、「LINEアカウント」や容貌・容姿が分かる写真までも文春側へ要求。文春側を「原告の上記主張は信じ難いものである」と呆れさせていた。 暴露系配信者のSNS投稿も証拠として提出 しまいには、松本氏側が「被告らが異常なほど感情的に反発してきたことに、困惑しているところである」と述べつつ、甲第6号証として暴露系配信者がSNS上にA子さん・B子さんの氏名を特定したと投稿した内容を証拠として提出した。 ただ、そんな暴露系配信者の真偽不明な投稿を、裁判官が証拠として評価するわけがない。松本氏側もわかっていたはずでは……。当然、個人が特定されるものとして、証拠説明書にも閲覧制限がかかり、黒塗りとなっていた。 ※詳しくは上記リンクより 関連記事…