県政史上最長5期20年続いた井戸政権の総仕上げともいうべき大型公共事業ということもあって、県職員が一丸となって進めていた。19年9月17日、県庁舎建て替えおよび周辺整備の基本計画策定を支援する受託候補者に、日本を代表する建築家・隈研吾氏の「隈研吾建築都市設計事務所」と昭和設計、ウエスコ設計共同体を選定したと発表した。 こういう再開発事業が動き出せば、さまざまなカネが水面下で飛び交うのは言うまでもない。周辺の不動産売買が活発になる。大型工事なので入札をめぐる談合も始まる。下請けから孫請けまで準備に入る。再開発の影響がどれだけのカネを生み出すのが、幹部職員をはじめ、さまざまな人々が「皮算用」を始める。なにせ700億円のビッグプロジェクトだ。 しかし、それらの人々の苦労はすべてパアになってしまう。 そう、21年7月に就任した斎藤知事は計画を白紙にしてしまったのである。この計画を当初のまま進めたら費用が1000億にものぼるとして、県民の理解が得られないというのだ。 関連記事…