声優道~声優になるための初心者講座~ 1: 2024/07/05(金) 13:53:20.70 ■実力主義が幻想だという残酷な現実 「若いころはうまければ売れると信じていました。でも、実際は時代のトレンドや役との出合い次第だったりします。みんな努力して、苦しんでる。実力主義が幻想だと気づけたことで優しくなれたといいますか……。いろんな事情、状況の人が生きていていいんだと思うようになりました」 トモヤスさんのテノールボイスは若々しく、艶があった。出演作も見たが、声だけで人の心情を表す演技力は第一線で活躍する声優たちと比べても申し分なかった。しかし、それは力があっても売れるわけではないという残酷な現実を証明しているようでもあった。それに年齢やキャリアを考えると、渋い役や老人役を振りづらい高めの声質はもはや武器にはならないのだという。 「夢を諦めても、追いかけ続けてもいい。でもどちらを選んでも“普通”に生きていける社会になればいいなと思います」 非正規春闘では、居酒屋を運営する会社の回答は時給の3%アップだった。しばらくは交渉を続けるつもりだが、妥結すればすべてのスタッフの給料が上がる。分刻みのスケジュールの中で奮闘するトモヤスさんの姿が、仲間のために奔走した往時の声優たちに重なった。 ※関連記事 【画像】女性声優さん(17)「えっ…こんな格好で写真撮るんですか? 私声優なのに…」→…