176 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2000/08/06(日) 21:47ゲーム製作者飯島健夫氏の十八番の話。少年時代、山にボーイスカウトかなんかで夏キャンプに行った時、それを見たんだそうだ。真っ昼間。カンカン照りの中、何人かで歩いていると、木立の中、少し暗がりになった所、ほんの5mほど先に、それはいた。人間…?木立の緑色のなかに、全身を血で塗りたくったかのような、真っ赤な男。どろっとした感じで、服を着ているかどうかもわからない。目だけはぎょろりと白く剥いて、じっとこちらをみつめている。横笛のような、何かわからない物を、両手で支えて口に付け……、しばらく、にらみ合いが続いた。と、いきなり、足も動かさず、す──っと横方向に滑るように、赤い男は木立の中に消えた。真っ昼間、明るい太陽の下の出来事でもあり、怖いというより、なにか、現実感を感じられずにいたが、夜になって、寝床で男の姿を思い出して急にゾッとした。近くに精神病患者の施設があったらしいが、そこの患者が脱走したり出歩いていたということはないという。そもそも、人間らしいところが全く感じられなかった。あれは、現代に生き残った妖怪のたぐいではなかったか。飯島は今、そう思っているそうだ。…