4411 sage 2009/09/09(水) 07:56:39 ID:e09YeYTQO20代前半で地方から上京して仕事をしていた時、間もなくして、同僚の女性と仲良くなった。これは、その子との話。名前は、仮にK子。明るい子で、実家が大富豪だったが、社会勉強も兼ねて職に就いたらしい。何度かデートをするうちに親密になり、運命の女性にすら思えた。まだお互いの親には面識がなかったが、将来の結婚も約束していた。しかし、そんな幸せな日々も長くは続かず、交際から半年後、K子は白血病で入院することになった。俺は毎日病院に足を運んだ。病状はかなり深刻らしく、休憩所でK子の母親が泣いている光景も、何度となく目にしていた。ある日、いつものように病室に二人でいると、K子が「もうお見舞いにこないで」と言った。驚いたが、細かく話を聞いてみると、これから先は、髪も全て抜け落ちるだろうし、ミイラのように痩せ細り醜く変貌する。そんな姿を俺には見られたくないし、綺麗なまま、ずっと覚えていてほしい。そんな内容だった。しばくの言い合いの後に、分かった。と返事をした。正直、俺もK子のそんな姿を見たくなかったのかも知れない。何より、愛した人が刻々と死に向かう有り様を、黙って見ているしかない現状に耐えられなかった。完全なノイローゼだった。…