446本当にあった怖い名無し sage New! 2008/04/21(月) 11:42:01 ID:H+/cldr30私の家系の男は全員、「ムシリ」という妖怪が見えるという。正確には、思春期ごろに1度だけ会うものらしい。おじいさんの話だと、夜寝ていると枕元に現れ、家系の男の髪の毛を毟り、食べるのだという。ソレは数十分間、ひたすら髪を毟って食べるらしいが、その間は痛みもなく、ただ、抜かれる感じだけは分かるらしい。朝起きると枕元には数百本の髪の毛が落ちており、一度食べられると二度と出てこない。髪を毟られるせいか、私の家系の男はみな、20代から禿げるみたい(遺伝かもしれないけど)。私は女なんで気にするなといわれたけど、弟は必ず会うから注意しろ、と言っていた。何を注意するかというと、髪を抜かれる間は消して動くな、気付かないフリをしろ。ということだった。先祖で一人、抜かれている間に逃げ出した男の子が原因不明の病気で死んだからだそうだ。ただ、来ても逃げたりせずにじっとしていればいい、儀式みたいなものだ、とおじいさんは言った。その話を聞いた弟は、妖怪を見ることより、若禿が確定したことがショックだったみたいだった。そこで、中学に入ったと同時に弟は毟られないようにと、頭を丸めた。おじいさんは、それに対して「昔はみんな頭を丸めていたし、意味ないぞ」と言っていた。結局、弟はそのまま髪の毛を伸ばすことにしたようだった。私たちの父も昔、「ムシリ」に出会ったらしく、若禿だった。父は20代だったころは禿げていることにコンプレックスを感じていたらしく、カツラをつけていたそうだ。(実際私たちが赤ん坊のころの写真の父は髪の毛があった。)ある日、父は弟に「ムシリに会ったら、このカツラはおまえにやるよ」と言って和箪笥の中のカツラを見せてくれたらしい。そして、そのカツラが弟を大変な目に遭わすのだった。…