1: 樽悶 ★ 2Lmw7U639 2025-09-19 18:33:45 名古屋市の男性会社員が建てた住宅の玄関。壁面には窓がない=男性提供 戸建て住宅を新築する際、窓を小さくしたり、数を減らしたりする動きが進んでいる。窓を減らして家の断熱性を高め、プライバシー確保や防犯性の向上も目指しているのだという。「窓が大きい=良い家」という考え方が見直されつつある現場を取材した。(石原宗明) ■玄関側に窓ない 「田舎育ちなので『窓の大きな家が良い家』と考えており、窓の少なさ、小ささに驚いた」。今年3月、名古屋市内に2階建て住宅を新築した男性会社員(41)は、最初に建築家から設計図を手渡された時のことをこう振り返った。図面では、玄関のある北側に窓が一つもなく、2階の部屋には日光を取り入れる細長い窓があるだけ。トイレや洗面所にも窓はなかった。 住み始めると日当たりは十分で、隣の家を気にする必要がないメリットを感じている。「今夏も比較的快適に過ごせた。家全体の機能を考える上で、窓のことを考える必要があると実感した」と話す。 7月に長野県軽井沢町で2階建て住宅を新築した女性会社員(51)は防犯面を重視し、開閉できないはめ込みの窓や細長い窓などを取り入れ、大きな窓は最小限にした。「トイレと浴室に窓はつけていないが、マンション暮らしが長く違和感はない。掃除もしなくてすむ」と語る。 ■10年で4・2か所減 窓メーカーなどで作る日本サッシ協会(東京都港区)が今年3月にまとめた、全国の新築戸建て住宅約3000戸の調査結果によると、1戸当たりの窓の数は15・7か所で、2015年の同様の調査と比べて4・2か所減少した。床1平方メートル当たりの数は0・136か所で、15年比で0・027か所減っている。 同協会によると、建築費を抑えるため、窓の面積を最小限に抑える傾向があるという。また、住宅に夏場入ってくる熱のうち、窓からが約7割を占めるなど、熱は窓から出入りしており、同協会事務局長の山本英司さんは「高断熱の樹脂窓やトリプルガラスなどもあるが、費用がかかる。断熱材入りの壁の方が窓より断熱性は優れており、窓をなくしてしまうという選択が広がっている」と説明する。 法改正も窓減らしを後押しする。建築基準法では、居室の床面積に対し、窓などの採光部面積が7分の1以上必要と定めていたが、省エネ施策を進める国土交通省は、これを22年に改正し、一定以上の照明設備を設置すれば、10分の1以上でいいと規定を緩和した。 同省建築指導課は「窓を小さくすることを安易に求めるものではない。ただ、窓が小さくなれば省エネ促進につながるため、規定見直しが行われた」とする。 ■工夫で採光目指す それぞれの間取りに合わせ、小さな窓からでも自然光を取り込もうと、ハウスメーカーや工務店は工夫を凝らしている。 東海地方で注文住宅などを手がける「国松工務店」(名古屋市)は、天窓を設けたり、吹き抜け上部に窓を付けたりして、室内に広く光を入れる工夫をしている。伊藤孝修社長は「窓が少ないドイツの住宅を研究しながら提案しているが、ここ10年間で窓の数は2~3割減った。窓が減ると、家具を配置しやすいといったメリットもある」と話す。 (省略) 慶応大名誉教授(建築環境工学)の伊香賀俊治さんは「建築費を抑える上で、窓を減らすことはやむをえない選択肢」と指摘する一方、「家の中の照度は、生活の質を高める上で重要な要素で、暗いと気持ちが落ち込みやすくなるなど、不健康な状態を招く。窓などに関する国の補助金を用いたりしながら、窓の役割をしっかり考えて、家造りを進めていくべきだ」と話している。(以下ソース) 9/14(日) 14:54配信…