1 名前:昆虫図鑑 ★:2024/01/06(土) 16:29:03.40 ID:NwCj08cI.net タイでは約12台に1台の割合でEVが売れている 2023年11月30日から12月11日の会期にて、バンコク郊外でタイ国際モーターエキスポ2023(通称バンコクモーターエキスポ)が開催された(11月29日はプレスデー)。タイのモーターショーはかなりトレードショー的な部分が強く、会場内では熱心な新車販売促進活動が展開される。 主催者発表の11月29日から12月11日までの会期中におけるブランド別の販売台数をみると、トップはトヨタで7245台、2位はホンダで6149台、そして3位には中国BYD(比亜迪汽車)となり、5455台であった。ほかの中国系ブランドをみると、AION(広州汽車系ブランド)が4568台、チャンアン(長安汽車)が3549台、GWM(長城汽車)が3524台、MG(上海汽車系)が3568台、NETA(哪叱汽車)が1766台、ウーリン(上海通用五菱汽車)が312台となっている。 ウーリンを除けば、主催者発表を見る限りは、トヨタとホンダ以外に出展していた日系ブランドより、中国系ブランドのほうが多い台数を販売するという結果となった。 また、地元の報道によると、タイ国内での2023暦年締めでのBEV(バッテリー電気自動車)の年間販売台数見込みを、5万台から6万8000台へ上方修正を行ったとのことである。2022暦年締めでのタイの年間新車販売台数が84万9388台だったので、これをベースに試算すると、新車販売台数の約8%がBEVになっているともいえる。 日本国内では2022暦年締めでのEV(電気自動車)販売台数は5万8813台となった。ただし、2022暦年締めでの年間新車販売台数は420万台となり、タイの約5倍の市場規模となるので、新車販売におけるEV販売比率は1.7%となる。つまり、BEV販売ではタイの約8分の1弱の市場規模になっているとも数値からはいえるだろう。 高性能なマシン=日本製!? 地元在住の事情通に話を聞くと、そもそもタイの消費者はクルマに限らず中国製品にはある程度のアレルギーがあったとのことだったが、「ここまでのスピードで中国メーカーのBEVが受け入れられるとは思ってもみませんでした」と驚きを隠せない様子であった。さらに事情通は興味深い話を聞かせてくれた。 「知り合いでアメリカ留学経験もあってインテリジェンスも高く、所得も高い女性が中国系ブランドのローコストBEV(スペックを絞ってお値打ち価格となっているBEV)を購入しました。しかし、彼女いわく『日系ブランドのBEVを買った』と話してくれました。BEVのような高性能車だから日系メーカー車に決まっていると彼女は信じているようでした」とのことだった。 どこかで聞いたような話だなと思っていると、海外出張へ行った際に乗り合わせたタクシー運転士との会話を思い出した。「どこからきたの? 日本か。俺も日本製品はたくさん持っているよ、例えばサムソンやLGは性能もいいよね(サムソンやLGは韓国ブランド)」と話してきたのである。 たまたま乗り合わせたタクシー車内の会話でもあるし、ムキになって「それは韓国メーカーだよ」と言わずに聞き流したが、日本や韓国から距離のある国ほど、日本と韓国の区別がつくはずはない。アメリカの大型家電量販店に行くと、置いてある液晶テレビのほとんどが韓国や台湾、中国製ばかりになってきたころの話であった。 つまり、タイではいまBEVにおいてかつての日本の家電の二の舞のようなことが起き始めているようなのである(局地的なものであって欲しいが)。しかも、日本とはそれほど距離の離れていない、親日家で知られたタイでの話なので事態はより深刻に見える。 中国メーカーはたいてい中国語社名と英語社名を持っている。たとえば日本では知られたBYDは英語社名であり、中国語社名は比亜迪汽車となる。タイでは単純に英語社名を使うブランドもあれば、MG(上海汽車のブランド)のように英語の自社ブランドで展開しているところもあるので、そもそも中国メーカーとはわかりにくいのである。 中国系メーカーは、筆者の見た限りでは、インドネシアやインドあたりでも同様の戦略をとっているように見える。ただし、プライドの高い中国人なので、中国系ブランドが”なんちゃって日本車”を全面に押し出して商売をしているとも思えない。 タイの消費者がいまでもハイテク製品=日本メーカーという認識を持っていることは大変ありがたいことであるが、政策的な動きもあるが、バンコク市内で加速度的に増えているBEVの様子を見ると、消費者のなかに日本メーカー製と信じて乗っている人も少なからずいてもおかしくないものと感じている。 小林敦志 引用元:…