自動車メーカーのダイハツ工業が、必要な衝突試験を行わずに不正なデータを使って国の認証を取得していた問題で、第三者委員会によるその後の調査で新たな不正が見つかり、会社は、国内外のすべての車種で出荷を停止することがわかりました。 ダイハツ工業では、ことし4月、海外向けの乗用車の衝突試験で不正が発覚し、5月には国内向けのハイブリッド車でも国の認証を不正に取得していたことがわかり、トヨタ自動車に供給する車種も含めた合わせて6車種で不正がみつかっています。 会社は、外部の有識者による第三者委員会を設置して調査を進めてきましたが、関係者によりますと、調査の結果、不正が行われていた車種がさらに拡大し、会社が国内外のすべての車種で出荷を停止することがわかりました。 国内向けの2車種を対象に行っている生産の停止も、さらに拡大する見通しで、一連の不正問題は国内外のすべての車種の出荷の停止に及ぶ事態となりました。 ■“不正は64車種にのぼる”第三者委員会 この問題で、第三者委員会によるその後の調査で、新たに174件の不正がみつかったことがわかりました。 ダイハツと第三者委員会の発表によりますと、一連の不正は1989年から行われていたとしています。 不正が行われた車種は、生産をすでに終了したものも含めて、64車種にのぼるとしています。 会社はこの調査結果を受けて、国内外のすべての車種について出荷を停止することを決めたと発表しました。 ■午後3時すぎから記者会見 ダイハツ工業は、この問題で午後3時すぎから記者会見を開くと発表しました。 記者会見では、第三者委員会が午後3時15分から調査結果を報告したうえで、午後4時45分ごろからダイハツ工業の奥平総一郎社長と親会社のトヨタ自動車の中嶋裕樹副社長が出席して不正問題の状況や今後の対応などについて説明するとしています。 ■国交省 21日に立ち入り検査へ 国土交通省は20日、ダイハツ工業から、現在生産・開発を行っている全28車種と1つのエンジンで不正が確認されたという報告があったと明らかにしました。 生産が終了している18車種と3つのエンジンでも不正があったと報告されたということです。 これを受け国土交通省は、国が基準への適合を確認するまで出荷を停止すること、利用者などに対し説明と対応を行うよう指示したということです。 また、21日にダイハツに立ち入り検査を行い、不正について事実関係の確認を行うとしています。…