損害保険ジャパンは1日、中古車販売大手ビッグモーター（東京）で修理された車を対象に、修理内容を無料で点検すると発表した。 公式ホームページでは「ビッグモーター社による一連の不正事案に関するお客さまへの当社の対応」と題する書面を掲載。「当社は、保険金不正請求を防げなかったこと、事故にあわれました大切なお車の修理に際してお客さまにビッグモーター社の自動車修理工場を紹介していたこと、お客さまの大切なお車に損傷が加えられていた可能性があったことを極めて厳粛に受け止めております」とし、「ビッグモーター社で修理を受けられた当社の自動車保険のお客さま、事故のお相手の方に、9月1日から当社の費用負担による安全性等の点検および当社社員等による調査サービスを開始いたします」などと発表した。 ビッグモーターによる自動車保険の保険金不正請求問題をめぐっては、損保ジャパンがビッグモーターの修理作業に問題があると把握した後も「優良工場」とみなしていたことが判明している。事故車両の損害度合いを査定する際の手続きを一部省く「簡易調査」と呼ばれる措置を続け、不正を助長した可能性がある 一方、鈴木俊一金融担当相は1日の閣議後記者会見で、ビッグモーターによる不正問題で、深い取引関係にあった損保ジャパンに対し、立ち入り検査を含めて必要な対応を「速やかに検討していく」と述べた。鈴木氏は、損保ジャパンが8月31日に提出したビッグモーターとの取引経緯などに関する報告書を「精査する」と述べた上で、問題が認められれば「厳正に対応していく」と強調した。損保ジャパン以外の損保6社とビッグモーターも31日までに顧客対応などを金融庁に報告した。…