1:へっぽこ立て子@エリオット ★:2023/08/08(火) 13:50:27.64 ID:WcV5xtpJ.net トヨタ自動車の佐藤恒治社長(53)に自動車産業の変革期に挑む考えを聞いた。4月の社長就任後、佐藤氏が国内主要紙の単独インタビューに応じるのは初めて。取材は7月30日にトヨタが出場した耐久レースが開かれた大分県日田市の「オートポリス」で行った。 □内燃機関は一定量は持つ ――「全方位戦略」を掲げる背景は。 「二つある。一つは、トヨタの目指す『幸せの量産』のためだ。地球上の誰一人も置いていかずに、移動の自由を提供する。地域の事情に合わせた解決策を持っているべきだ。 もう一つはエネルギーセキュリティーだ。持続的な成長には脱炭素が必要で、エネルギー源は最終的には電気と水素の二つの柱がバランスをとって存在するだろう。電気の有用性は誰も疑わず、水素は保管性に優れ、形を変えやすい。 だが、移行プロセスは現実的に考えないといけない。明日からすべてが電気自動車(EV)となったら、社会システムはスムーズに移行できるだろうか。プラグインハイブリッド車(PHV)などが過渡的に、より効率的に存在すべき時がくる。内燃機関は一定量は持っていないといけない。 全方位戦略は絶対にぶれない。信念を持ってやっている」 ――トヨタにとってEVの位置付けは。 「EVに対する解決策の提示が他社と比べて遅れていたのは事実だ。以前から開発を進めてきたが、機が熟してきたので、段階的に(開発状況などの)情報開示している。 4月にEVの世界販売を2026年までに(現在の約60倍にあたる)年150万台に引き上げる計画を表明した。部品メーカーを含めて規模をイメージしながら準備しないと顧客の需要に応えられない。 『裏付けがあるのか』というのが次の疑問だと思ったので、6月の技術説明会で『ある』ことを示した。 EVはクルマの価値を拡張する上で非常に有力だ。車は大半の時間を止まったままで土地を占有している。その時間を使い、エネルギーや情報がクルマを介して移動できるようになれば、生活はもっと楽になる。その際、電気の特性は親和性が高い。 EVのモーターを使った駆動力はレスポンスが早い。強大な駆動力をすぐに出せる。車の付加価値も高められる。 一方で、音がしない、振動がないことで、感情的な要素が失われる。説明会では、マニュアル操作が楽しめるEVを公開した。懐古主義ではない。駆動力に感情的な要素を加えれば、今までにない『ファン・トゥ・ドライブ』を作れる機会でもある。安心・安全は、トヨタのバッジつけて出す以上は絶対だ。 目指すのは「クルマ屋のEV」だ。車がコモディティー(汎用品)になってほしくない。 (航続距離が大幅に伸びるといった)次世代EVは、日本でも26年にも高級車ブランド『レクサス』から投入する。レクサスに限らず、トヨタブランドも含めて広くやっていく」 □水素エンジン車、7合目に ――水素を使って走る車の開発状況は。 「(耐久レースへの参戦を通じて開発中の)水素エンジン車は、(目標とする)市販化を頂上とすると、7合目に到達するかしないかくらいのところに来た。燃焼を制御する技術は手の内に入り、排気処理に関する技術開発を進めている。 燃料電池車(FCV)と水素エンジン車のどちらが優位かは車両や走らせ方による。例えば、大型トラックで、重い荷物を載せる時は水素エンジン車のほうが効率が良い。水素社会に向けて、どちらも開発を続ける。 水素の消費量は、商用車を軸に進むだろう。インフラの整備を促し、水素の重要性が高まれば、乗用車でも広がっていく」 ――ほかの自動車メーカーとの連携はどうする。 「これまでは、とにかく(技術を)隠して、車を発表する時に開示して優位性を保とうとした。競争力を生み出す一つの手法だが、今はそういう時代ではない。開示することで、多くの関係企業に、我々が進もうとしている技術的な道筋を示せる。そこに共感があればパートナーを作れる。最終的に日本の産業力を高めることが大事だ。 日本の自動車メーカー同士の連携が進んでいるのは、業界が向き合うテーマや規模感により、協調する領域が増えてきたからだ。一定の領域では協調しつつ、自社の強みを持つ事業戦略をとらないと戦っていけない」 >>2 へ続く □関連スレ 【業績】トヨタの1Q営業益1兆円超、市場予想上回る-株価終値で最高値【7203】 [エリオット★] 2023/08/04 05:00 読売新聞 2:へっぽこ立て子@エリオット ★:2023/08/08(火) 13:50:38.41 ID:WcV5xtpJ.net >>1 から続く ――就任から約4か月。手応えは。 「1月26日に社長交代の発表があり、翌日から実質的に社長の仕事をしている。半年間、本来のトヨタらしさを取り戻した(前社長の)豊田章男会長の経営を継承する、トヨタの軸を守っていくと伝え、一定の理解を得られるようになった。 トヨタは公共性が高く、社会的に果たすべき役割がある企業で、トップが変わることで方針がころころ変わることはあってはならない。 今のトヨタは、『チーム経営』だ。執行役員、本部長を含めた10人の経営陣が並行してそれぞれ動いている。実行しながら情報の共有をしており、経営のスピード感が早い」 ――エンジニア出身として思うことは。 「100の失敗の先に一つの成功があるということ。新しい何かを生み出そうとする時のエネルギーは失敗。今は行動が大事だ。今は行動力のある人間が経営の中核にいる」 ――休日のリフレッシュ方法は。 「社長就任後は(多忙で)趣味のクルマいじりをする時間はあまりなくなったが、ショップと連絡はとっている。どんな形であれ、車との接点は大事にしている。好きでこの仕事をやっている。 週末にレースやラリーがある時は、現場に来るようにしている。色々な業界の方と会えて、フランクに話すことができる」 (聞き手 中部支社 山内竜介) ◆佐藤恒治氏(さとう・こうじ) 1969年生まれ。92年早大理工卒、トヨタ自動車入社。執行役員を経て4月1日から社長。 大学ではディーゼルエンジンを研究。入社後はHV「プリウス」の部品開発などに携わった。80年代に人気を集めたスポーツカー「AE86型」を自ら購入し、分解するほどのクルマ好き。社長就任後は多忙でクルマいじりをする時間はほとんどなくなったが、好物の豆大福を食べて疲れを癒やしている。…