今年に入り、東京都内で二輪車(バイク)乗車中に交通事故で死亡するケースが急増している。1月以降、二輪車事故の死亡者は今月4日時点で12人(前年同期比2人増)に上り、3月だけでも7人が命を落とした。春の行楽シーズンを迎え、ライダーにとってはツーリングの機会も増えるとみられ、警視庁は「胸部プロテクターやヘルメットをしっかり着用して安全に楽しんでほしい」と訴えている。 警視庁交通総務課によると、今年1月から4月4日の間に、都内の交通事故で死亡したのは27人(同1人減)。このうち、二輪車の事故での死亡者(12人)は半分近くを占めているという。 交通総務課によると、今年、二輪車乗車中の事故で死亡した12人すべてが、対四輪車の事故だった。12人のうち通勤通学中とみられるのは9人で、慣れた道で事故に遭っていたという。転倒時に強打したり、車にひかれたりして、胸や腹にけががあったのは8人だった。一方で胸部プロテクターを着用している人は12人の中で1人もいなかった。 警視庁の分析では、令和4年の二輪乗車中の交通死亡者(40人)の致命傷部位は「頭部」(18人、45%)に次いで「胸部」(10人、25%)が多かったという。 しかし、警視庁が昨年7~8月に実施したバイク利用者3千人に行った調査でも、胸部プロテクターの着用率は8・9%にとどまっていた。交通総務課は「面倒でも胸部プロテクターをつけて体を守ってほしい」としている。…