1:2023/02/15(水) 14:49:50.73ID:i8b/YLuB9世界最高峰のエベレスト登頂に幾度となく挑戦した栗城史多さんは、4回目の挑戦で両手の指を凍傷により9本失った。たいへんな大ケガだが、それでも多くの登山家は栗城さんの挑戦に冷ややかだった。なぜだったのか。河野啓さんの著書『デス・ゾーン』(集英社文庫)よりお届けしよう――。<略>■「登頂が目的でなくなっているのでは」 しかも栗城さんはこの年の6月、ヒマラヤのシシャパンマ(8027メートル・世界14位)でケガを負っていた。登頂を断念して下山中、クレバスに落ちて右手の親指を骨折し、胸の軟骨も損傷したのだ。 体調が万全ではなく、過去3度の挑戦で一度も8000メートルに届いたことがないのに、わざわざ登頂困難なルートを選んだ。これには、児玉毅さんも首を傾げたという。 「アラスカにスキーに行ったときは、まだまだやる気満々だったんですけど……。あれ? 登頂が目的ではなくなって来ているのかな……とは感じましたね」<略>■「あんな凍傷は見たことがない」 先輩の森下亮太郎さんは、栗城さんが凍傷になった後、頃合いを見計らってメールを送っている。「ご心配かけてすみません」と返信があったそうだ。 「凍傷だと聞いてさすがに心配になりましたけど、一方では『何やってるんだ? 』と腹立たしい思いもありました。冬山のトレーニングをしっかり積んでおけば、凍傷になりかかったらすぐに気づくはずなんです。『指の体温が戻りづらい。おかしいな』って。その感覚が養われていないのは、準備不足と自己管理ができていない証拠です。今の時代、凍傷は登山家の勲章にはなりません」 ある疑念を、森下さんは抱いたという。 その疑念は多くの登山家に共通していた。佐藤信二さんは言う。 「1本2本ならわかるけど、彼の場合、凍傷の境目が何本もの指にわたってきれいに一直線になってる。ああいう凍傷はちょっと見たことがないですね」 エベレスト4回目の遠征メンバーは、森下さんが副隊長を務めたころと大きく変わってはいない。森下さんは今も交流が続く隊員の一人からある情報を得ていた。 「登頂を諦めて『下りる』って言ってから、4時間も無線連絡が途絶えた、呼んでも返事がなかった、って……。何してたんだ? って思いました。それで最初は、栗城が自分で手袋を外して、雪の中に指を突っ込んだんじゃないかって……凍傷になるために、わざと……ここまでひどくなるとは想像せずに……」 その後、22時間も外にいたと知って多少は自作自演の疑念を拭ったが、そんな長時間行動すること自体、高所登山のセオリーを無視している。全文はソースで関連記事…