日産、第3世代e-POWER向けエンジンに世界初技術…コールドスプレー工法バルブシート採用 | レスポンス(Response.jp) 日産自動車は、第3世代「e-POWER」向け発電専用エンジン「ZR15DDTe」に、自動車用エンジンとして世界初となるコールドスプレー工法を用いたバルブシートを採用。 e-POWERはエンジンを発電専用とし、駆動は電気モーターのみで行うシリーズハイブリッドシステム。力強い加速と高い静粛性が特徴。コールドスプレー工法の特徴 粉末材料を超音速で吹き付けて被膜を形成する技術。2000年代から航空・宇宙産業や重工業で使用され、近年は積層造形(AM)にも応用。 材料を融点以下で吹き付けるため、金属間化合物や空洞の発生を抑え、耐久性と信頼性が高い。 シリンダーヘッドに銅系の専用材料を吹き付け、アルミ合金上に被膜を形成。別体のバルブシートが不要に。技術的メリット 従来のバルブシート構造では吸気ポート形状に制約があり、理想的なタンブル流(縦方向の渦)形成が困難だったが、コールドスプレー工法により最適な吸気ポート形状を実現。 燃焼効率の向上により、熱効率42%と高出力を両立。EGR(排ガス再循環)を多用しても燃焼の安定性を確保。 冷却性能の向上により、エンジンの効率と耐久性が向上第3世代e-POWERの進化 モーター、インバーター、減速機、発電機、増速機を一体化した5-in-1モジュール化により、軽量化、小型化、高剛性化を実現。振動抑制と静粛性向上に貢献。 初代e-POWER比で燃費20%向上、第2世代比で高速走行時の燃費15%改善。コストも20%削減。 欧州では「キャシュカイ」、米国では「ローグ」、日本では2026年度に新型「エルグランド」に搭載予定。…