元スレ 全てのレス 2:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/08/17(月) 17:16:06.92 :xePnKZjYo 誘われるまま足を進め、赤座さんに声をかけた。 私の声に反応して、振り向いた、赤座さんの表情は固かった。 邂逅なんて大げさな表現だけれど、突然の見知った顔に処理が追い付かないのかもしれない。 それとも、私との距離を掴みかねているのか。……って、それは人見知りの気がある私の方ですわね。 とはいえ、それこそ大げさな表現で、普通に話す程度なら問題もないけれど、 赤座さんと二人というのはあまりなくて、舵の取り方に若干の不安があった。 向こうがどう思っているのかは分からない……というよりは、確かめにくい。 話してみれば、簡単に確かめられるかもしれないけれど、友達の友達ぐらいに思われているのかしら……と考えると、中々壁を感じてしまうものだった。 あかり「……話してしまえば簡単なんだけどなぁ」 丁度、自分が考えているのと、同じような言葉が聞こえてきた。 あかり「……聞いてた?」 向日葵「……はい?」 同じような言葉から逸れて、不意を突かれた。 あかり「ほら、あの、歌ってたの」 向日葵「ああ、さっきの」 あかり「や、やっぱり!?」 赤座さんの固い表情が即座に崩れて、血の巡りも急激に加速しているように見えた。 あかり「うぅ……恥ずかしい」 向日葵「あの、かわいらしい声でしたわよ」 あかり「フォローが返って身に刺さる……」 いまにも頭を抱えそうな赤座さんに、疑問を抱きながらも、 これ以上突っ込むのはやめて、話を切り替えることにした。 向日葵「……ええっと。今日はどうなされました?」 あかり「……なんかお医者さんみたいだね」 向日葵「……そうですわね。事務的でそっけなかったかもしれませんわ」 ……やっぱり固くなっているのかしら。 あかり「そ、そういう意味じゃなくて! むしろ向日葵ちゃんがお医者さんだったら、病院に通い詰めたいぐらいだもん!」 向日葵「びょ、病院に通い詰めたいというのもどうなのかしら……」 あかり「……あっ、そうだね」 妙に素直にうなずく赤座さんがおかしくて、クスりと笑いがこぼれた。 釣られるように、赤座さんも困り顔をしながら頬を緩めて、緊張感が無くなった。…