元スレ 全てのレス 1: ◆TOYOUsnVr.:2016/11/17(木) 01:04:20.50 :IIwdgjic0 機械音と共に紙を吐き出していくコピー機、たくさんの人がキーボードを叩く音、電話の着信音、業務連絡の声。お世辞にも静かとは言い難いこの環境こそが私の読書スペースです。 幸いなことにも、私は何かに集中してしまうと外界の情報を著しくシャットアウトしてしまう傾向があるようで、どのような環境であれど書を開けばそこは私の、私だけの世界となってしまうのでした。 私はお仕事の後でも、レッスンの後でも、決まって私は少しの間、読書のために事務所にやって来ます。 初めは他のアイドルの皆さんや、プロダクションの社員の方々に「そのまま家に帰って、ゆっくりと読んではどうか」だとか「こんな場では頭に入らないのではないか」だとか「何もこんな騒がしいところで読まなくても」などと言われることも多かったのですが、最近では“そういうもの”と思ってくださっているのか、はたまた呆れられているのかは分かり兼ねますが、声をかけられることも少なくなりました。 では、何故このようなところで私は本を読むのか。 それは、ある種の儀式のようなものなのです。アイドル鷺沢文香から、普通の女の子鷺沢文香へと戻るための。 趣味である読書は私のスイッチでもあるのです。 いえ、あったのでした。…