元スレ 全てのレス 1: ◆VHvaOH2b6w:2022/05/10(火) 13:35:51.40 :nm7zvJuf0 「お前のお姉さん、昨日テレビで見たよ」 クラスの隣席である級友にそう言われ、高山少年は肩をすくめた。 「すげえよな。なあなあ、あのお姉さん家ではどんな感じなんだよ?」 どんなと言われても困る。 姉――彼の姉である高山紗代子はずっとアイドルになりたがっていた。 少なくとも彼の記憶にある一番古い姉に対する記憶でも、彼女は歌い踊っていた。 ただその姉は、あまり才能に恵まれているとは言えなかった。 数々のレッスンスタジオでも目立ったり注目されるタイプではなかった。 彼女は高校生になると、あちこちのアイドル事務所のオーディションを受けていたが、結果はいつも落選だった。 それを間近に見ていた彼にとっても、まさかあの姉が有名な765プロに入り、アイドルとして活躍している今が信じられない気持ちでもある。 しかしそれと、それを彼がどう捉えるのかはまた別の問題だ。…