元スレ 全てのレス 1:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2022/03/20(日) 23:04:02.73 :f2FhMN8xO 「だいぶ日が長くなってきたね」 言われて視線を上に向けりと沈みかけた太陽が空を茜色に染めており、闇色の夜に星が瞬き始めていた。素直に綺麗だなと思い呟く。 「……もうすぐ春だな」 今はまだ冷たい夜風もすぐに温くなって過ごしやすい季節が訪れる。待ち遠しいものだ。 「我らが住う地球は太陽系の第3惑星で、恒星たる太陽の恩恵を享受している。そこで僕は考える。果たして太陽は地球から何かを得ているのだろうかと。ただ搾取されているだけなのか、それともWin -Winの関係なのか」 そんなこと考えたこともない。太陽の利益。 「よくわからんが……地球が存在していて、俺たちがそこに誕生したおかげで太陽は自分自身の存在を観測して貰えるわけだから、そう悪い関係じゃないんじゃないか?」 適当なことを云うと佐々木はくつくつ笑い。 「そうだね。自己の肯定は何よりも得難い利益を生む。人間だって他者に肯定して貰えなければ存在価値などないに等しいのだから」 果たしてそうだろうか。透明人間の価値は。…