元スレ 全てのレス 1: ◆Um.UzyNJ1k:2021/06/19(土) 03:08:25.06 :ISnu2iFoo 「目を覚ましたまえ、超電磁砲」 スピーカー越しに聞こえる男の声で、眠っていた御坂美琴の意識は完全に覚醒した。 「な━━何よ、これ……!」 直後、彼女は自分の置かれている状況に戦慄した。 着ていた筈の衣服は一つ残らず剥ぎ取られ、一糸纏わぬ肢体はX字の形で円形の台の上に磔にされている。 「言っておくが、脱出はまず不可能だ」 身体を揺すってがちゃがちゃと手足の拘束具をがならせる美琴に、無機質な声が届く。 「君に付けられた首輪型のデバイスは、少年院用に先日開発された新型のキャパシティダウンでね。対象が一人に限られるものの、能力の使用を著しく制限することができる。 例えそれが、第三位の君の力だとしてもだ」 男の言うとおり、美琴の首には冷たい金属製の首輪がかけられていた。 俄に信じ難いことだが、現に学園都市第三位の超能力者である彼女が試みた抵抗は、拘束から抜け出そうと無力にも身体を揺らすことだけだった。 電撃による制圧も、電子機器のハッキングも、その一切が通じない。否、行使することすらできない。 「……それで、そんな御大層な最新機器まで持ち出して、一体何がお望みなわけ?」 絶望的な状況の下でも、美琴は気丈に振る舞うことを決して止めない。 天井から伸びるマニュピレーターを用いて眼前に突き付けられたカメラをきっと睨んだ。…