建設現場や農作業などの現場で使うアイテムが低価格で揃うお店「ワークマン」。日本全国に店舗を展開していますが、実は最後まで“出店に苦労していた県”がありました。 ■苦労した県は、九州にあった オシャレで高機能なカジュアルウェアを扱う「ワークマンプラス」ともに、ワークマンが出店に苦労していたのは宮崎県。県内1号店が開店した初日の朝には、100人近くのお客さんが行列を作り、地元テレビが報じるほど大盛況でした。 もともとお客さんから「早く宮崎に出店してほしい」という要請があったエリアだそうですが、なかなか出店できなかったのには2つの課題がありました。 課題① 「朝7時」というタイムリミット ワークマンの商品は、基本的には作業着など職人さん向けのもの。 職人さん達が仕事に使う商品に欠品が出ないようこだわっているため、"朝7時までにトラックが着くところ"にしか出店できません。 また、ワークマンは自社のネット通販も展開。車移動の多い地域では、宅配便よりも“店舗受け取り”の方が便利とされています。 注文した商品を翌日、店舗で受け取るケースもあり、“毎日商品を朝7時までに配送する”というルートを確立する必要がありました。 課題② 配送ルートの解決 九州のワークマンの物流拠点は福岡です。 福岡から宮崎に行くルートは、大分の海側を大きく回るのと、内陸を直線的に南下するルートの2つ。 ワークマンはコストダウンのために、トラック1台で6~7店舗を経由して配送を行っていますが、いずれのルートを利用しても宮崎への配送は間に合いません。 そこでワークマンがとったのは、新しい配送ルート"九州内陸横断ルート"を作るという戦略。 宮崎県に隣接する鹿児島県と熊本県に出店したのち、この2店舗の中間地点にあたる宮崎県の都城市に出店することで、問題を解決しました。 出店後、記録的な売上を出しているという宮崎のワークマン。東九州自動車道など、大分ルートの高速道路が開通されたこともあり、今後さらに宮崎県へ出店していく予定だそうです。…