元スレ 全てのレス 1:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/03/30(水) 01:28:36.66 :1bBR+Rra0 1990年の熱い夏。 深夜、私は鎮守府の執務室にてワープロの電源をいれた。 ワープロは最新式である。景気が無駄にいいせいで現場にも金が降り、めでたく新調することができた。 立ち上がったのを確認すると、フロッピーディスクを挿入する。 「さて、今夜中に仕上げないと…… 終わるかな?」 立ち上がった画面に映る文章は上層部に提出する書類であり、去年一年間の海外滞在について報告するものだ。 今週中に出さなければいけないのだが、まだ初めの一行すら書いていない。 私は書き出しについてすこし考えた後、吸いさしの煙草を灰皿におしつけ、キーボードをたたき始めた。 『1989年 9月28日。私は一人の少女を探して東ドイツにやってきた』 これは、あるひとりの少女とひとつの国の物語である…