1: 名無しのアニゲーさん 2026/11/04(水) 12:03:14.513 ID:x8Zi1ZHYi 正味なところ、Lemonがこれほどまで広く大きい曲になった理由がいまだにピンときていません。むろん下らない曲を作ったつもりは毛頭ありませんし、加えて、この曲がアンナチュラルという掛け値なしに偉大なドラマの主題歌であり、ドラマ制作陣が愛ある形で丁寧に扱ってくれたからこそ成立した現象だと理解はしているのですが、Lemonを発表してまもないころ、とんでもない勢いで評判だけが広まっていく様を前にして、あっこの曲がわたしの代表曲になるんですか?とあっけにとられていたのをよく憶えています。みんなでキャンプファイヤーでもしよう、くらいの気持ちで端材に火をつけたら、みるみるうちに延焼していき、けっか山火事にまで発展してしまった。右手にはチャッカマン、左手にはバケツ一杯の水。当事者であるわたしが見た景色とはだいたいそんな感じでした。子供のころ、偉大なミュージシャンが自らの代表曲にそっけない態度をとる姿をよく見てきました。この曲の何がよいのかわからない、気に入ってないからライブではやりたくない、なんて具合にいじけた態度を見せるたび、わたしは内心で「誰がどう聴いてもよい曲だろう、カマトトぶってんじゃねえぞ」と悪態をついていましたが、手前の身に降りかかってみてようやくその態度に得心がいきました。つまり、こういうたぐいの曲は、作者の狙いや心情などを激烈なスピードで置いてけぼりにして、あっちゅうまにほとんどパブリックドメイン化してしまうのでした。そらいじけもするわな、という同情の念を抱ける程度には、わたしはLemonをきっかけにして彼彼女ら偉大なミュージシャンが集う食卓の端席に座れるようになったのだと思います。 期せずしてなにか恨み節のような文になってしまいましたが、わたしは当時から一貫してLemonに多大な感謝を抱いております。野趣あふれすぎる田舎の野良犬であったわたしに大いなる戸惑いを与え、見も知らぬ景色を見せ、眩暈するほどおもろい人生へと導いてくれました。今後わたしがショボくれたジジイになり、四回りくらい歳の離れた若造の前でLemonを弾き語り、「そんな辛気臭い曲やめてや」とか「誰も憶えとらんで」とか粗雑に扱われる将来を幻視する夜もありますが、まあそれはそれで。…