384 :修羅場まとめの殿堂 07/11 15:46:00 ID:DrkDFcVl 高校3年の頃の話。 その高校は山傍にあり、俺が入っている寮もその構内にあった。果樹園を眺める 緩やかで長い坂の中程にあるその学校は、30年近く前までは県内でも5本の指に 入る程、頭脳明晰でなければ入れない高校であったが、これも時代の流れか、 その当時は既に普通以下の実業高校に成り下がり、そして俺はそこに属していた。 何をするにも自転車が無ければ苦労する立地条件である。そのお陰でこの高校 では自転車盗難が頻発していた。そして実は自転車だけではない。靴、洋服、財布etc。。 この学校では盗難事件が後を絶たなかった。学力は無いが、自分の身を装う事 (俺含めと言っておこうか)と、人の物を盗む事に関しては一丁前な奴等が 集っていた。糞泥棒学生にはこの高校は天国に見えたに違いない。 そんなとある日、授業の一環で全学年での芸術鑑賞があり、5km程先にある街の イベントホールに現地集合という事になった。寮生の俺は当然自転車での移動である。 実は俺の自転車は鍵が壊れていた代物だった(盗んだ訳ではないぞ)。貧乏学生で ずぼらな俺は、直そうとせず、寮の裏に隠すように置いていた。ただし用心を重ね、壊れた鍵を さも掛けているかのように見せ掛けていた。 その自転車にいつものように乗ろうと、寮の裏手に回った。 そこにいつもあった、俺の自転車が消えていた。 つづく…