「裏勝り」に宿る美意識 THE URAhのコンセプトは、江戸時代の町人文化に生まれた「裏勝り」です。奢侈禁止令の下で、人々は慎ましい装いをしながらも、衣服の内側に優れた手仕事を施しました。価値は誇示するものではなく、近づいた者だけが見出すものというこの美意識を、アメリカ発祥のバーシティジャケットの内側に、現代の日本の手仕事で再構築しています。外側は無地の黒でロゴはありませんが、内側には京都で織られたジャカードの裏地が、深緋(こきあけ)、金襴(きんらん)、瑠璃(るり)、萌黄(もえぎ)の四色から選べる形で存在します。 日本四産地の手仕事が織りなす一着 このジャケットは、日本の四つの土地を経て仕立てられています。 表地: 尾州(愛知県)— 毛織物の産地として知られる尾州のメルトンウールが使用されています。 袖: 姫路(兵庫県)— 伝統皮革「黒桟革(くろざんがわ)」が採用されています。 裏地: 京都 — 京織のジャカードが施されており、四色から選択可能です。 織ネーム: 京都 — 中梅織物による西陣織が用いられています。 縫製: 羽生(埼玉県)— 各地の素材を一着に仕立てる縫製が行われています。 希少な伝統皮革「黒桟革」を袖に採用 袖には、兵庫県姫路市で生産される伝統皮革「黒桟革」が採用されました。なめした牛革の凸部分にのみ漆を手作業で塗り重ねて仕上げる革で、一枚の仕上げには数ヶ月を要します。原皮には国内で食用として育てられた黒毛和牛のみが使用されています。月におよそ20枚しか生産されない希少な革であり、これまで時計のベルトや小物など比較的小さな面積で用いられてきました。製造元の坂本商店によると、ジャケットの袖という広い面積で、一般に販売される衣類に用いられるのは今回が初めてとのことです。 ウェルネス企業がアパレルに参入する理由 株式会社オリーブの木は、京都・大阪で低酸素トレーニングジムやピラティススタジオを4店舗運営するウェルネス企業です。事業の中心にあるのは「The Body as an Asset.(資産としての身体)」という考え方です。身体を短期的に変える対象ではなく、時間をかけて育てるものと捉えるその思想を、身体に最も近いプロダクトである服へと拡張する試みがTHE URAhです。ウールは着る人の形を覚え、革は身体に馴染んでいくことで、新品の瞬間が価値のピークではなく、時間がその一着の一部になっていくというコンセプトは、「Better with every wear.(纏うほどに、良くなる)」という一言に集約されています。 販売概要 製品: メンズ・バーシティジャケット(1型) 価格: 298,000円(税込)/ USD 2,400 数量: Season 1 世界100着限定 販売: 公式オンラインストアのみ(卸売なし) 先行予約: 2026年9月28日まで 正式ローンチ: 2026年10月10日 発送: 2026年11月下旬より順次 ブランドサイト: 株式会社オリーブの木 代表取締役の村松正憲氏は、今回の取り組みについて以下のようにコメントしています。 「フィットネス事業を通じて、身体を人生における資産として捉える『The Body as an Asset.』という考え方を掲げてきました。身体は買い替えることができず、適切に使い、手入れをすることで価値が育っていくものです。その延長線上に、服があります。服は身体から最も近い場所にあるプロダクトであり、身体を社会や世界へつなぐインターフェースです。短期間で消費されるものではなく、手入れをしながら長く使い、時間とともに価値が育つもの——身体に対して考えてきたことを、そのまま服に当てはめたのがTHE URAhです。産地には世界に通用する技術が残っているのに、海外の最終顧客へ直接届く手段がない。多くの産地が、そのまま閉じていきます。THE URAhは、その距離を自分で埋められるかを確かめる試みです。」…