1 名前:ばーど ★ 2026/08/20(木) 08:46:54.58 ID:IKggjp3D.net ロシアのプーチン大統領が、日本が返還を求める北方領土の択捉島に初めて足を踏み入れた。水産加工場でイクラを試食し、病院や学校を視察する姿は、島がすでに「ロシア領」として定着していることを内外に誇示するかのようだった。 そのわずか約2カ月半前、日本は官民訪問団をモスクワに送り、冷え切った日ロ関係のパイプをつなぎ直そうと動き出したばかりだった。だが、ロシア当局者から聞こえてきたのは「日本から尻尾を振ってきた」という冷淡な言葉。日本の思惑をよそに進む北方領土の“ロシア化”と、面目をつぶされた経産省の対ロ外交。その実像を追った。(前後編の前編) ■外務省筋からは「それ見たことか」との声 プーチン大統領にイクラを振る舞った男は、ただの水産業者ではなかった。 道路、空港、病院から雇用まで、日本が返還を求める択捉島を牛耳る「北方領土の帝王」、アレクサンドル・ヴェルホフスキー氏である。 ロシアの大統領と政商が並んだ一枚の写真は、二つの終わりを告げていた。 経済協力でロシアを引き寄せようとした経済産業省の対ロ外交。そして、メドベージェフ前大統領が強硬な役回りを引き受けてプーチン氏は島に入らないという、ロシア指導部内での役割分担である。 「ある、意味歴史的な日だ」 日本政府関係者はそう言い切った。わずか2カ月半前、経産省は三井物産や商船三井などの幹部を伴う訪問団をモスクワに送り、ロシアとのパイプをつなぎ直そうとしたばかりだった。 その期待を踏みにじるような択捉島訪問に、対ロ接近に慎重だった外務省筋からは「それ見たことか」との声が漏れる。 そして、プーチン氏を島で迎えたヴェルホフスキー氏こそ、ロシアによる実効支配の実像を読み解く鍵を握る人物だ。筆者は長年、その動向を注視してきた。 自身が表舞台に出ることは少ないが、巨大企業グループ「ギドロストロイ」を率い、表からは見えにくい場所で択捉島を動かしてきたキーマンである。 そのヴェルホフスキー氏が今回、自らの企業帝国の一角でプーチン氏を迎えた。(略)) ※略 ■領土問題には触れず、漁業資源の豊かさと島の発展を語る ■択捉島がロシア社会に完全に組み込まれているという演出 ■一大企業帝国を築き上げた「帝王」 ■「守るべき軍事拠点」から「普通のロシア領」へ ■面目をつぶされた日本の省庁 択捉島を歩くプーチン氏の姿に、面目をつぶされた日本の省庁がある。経済産業省だ。 経産省は今年5月、外務省職員のほか、三井物産や商船三井などロシアに権益を持つ日本企業の幹部を伴う官民訪問団をモスクワに送った。ロシア経済発展省や産業貿易省、経済団体の関係者らと会談した。ウクライナ侵攻後、日本政府と大手企業による本格的な訪ロは初めてだった。 経産省は目的について、「ロシアで事業を続ける日本企業の資産や権益を守るため」だと説明。停戦後を見据えた経済・エネルギー協力ではないと繰り返し強調した。 だが、政府内では別の見方が広がっていた。安倍晋三元首相の首席秘書官を務めた経産省出身の今井尚哉氏が内閣官房参与に入り、ロシア側とのパイプを誇示する中で具体化した訪問だったからだ。 しかしロシア側の受け止めは冷淡だった。 ■今井氏ら日本側の動きを「日本から尻尾を振ってきた」 ロシア当局者は筆者に、今井氏ら日本側の動きを「日本から尻尾を振ってきた」と表現。日本側の経済訪問団として受け入れることをそれほど歓迎せず、場合によっては、「はしごを外す可能性もある」と打ち明けた。 日本が接触再開を外交上の成果に見せようとしても、ロシア側は自らが関係改善を求めたとの印象を避け、日本が譲歩して近づいてきたとの構図にする。両国の立場は初めから対等ではなかった。 訪問団派遣から約2カ月半後、プーチン氏は日本が返還を求める択捉島に初めて足を踏み入れた。日本企業との関係維持を模索する経産省の働きかけを意に介さず、領土問題では一切配慮しない姿勢を行動で示したのだ。 ロシア側は訪問団をどう見ていたのか。8月14日、ラブロフ外相はロシア国営テレビのインタビューで明かした。 「日本の実業家代表団が訪ロしたという情報がありました。彼らは、日本政府首脳部からプロジェクト協議をしないよう厳格な指示を受けている」とあっさりとはしごを外した。 ロシアは、日本が対ロ制裁を維持したまま代表団を送ったことを、単なる外交的なアリバイ作りと判断していたのだ。…