
1: 蚤の市 ★ 2026/06/28(日) 08:12:15 ID:HUllDQXX9.net (略)高校時代からのファン 故郷での講演会を実現 「川西町出身で偉い作家がいる」。 遠藤さんが井上さんの名を知ったのは、高校生の頃。 中学時代の恩師に紹介され、初めて読んだのが自伝的な青春小説「青葉繁れる」だった。 進学校に入ったものの成績が振るわず屈折した男子生徒に、遠藤さんは自らを重ね合わせた。 「本に励まされているように思えた」と振り返る。 地元の農協に就職し、勤めのかたわら仲間とミニコミ誌を作っていた遠藤さんは、井上さんの川西町での講演会を発案した。 故郷に姿を見せない人気作家に「地元を好きではないのでしょうか」と率直に尋ねる手紙を送ったのだ。 若者たちの突然の依頼に感激したのだろう。 憧れの作家は無償で故郷での講演を快諾し、交流が始まった。 井上さんが東京で旗揚げした劇団「こまつ座」の公演などをサポートするため、遠藤さんら地元の若者が「山形こまつ座」を結成。 当時、農協をやめて自宅で農業に携わっていた遠藤さんは、農閑期を利用して井上さんの千葉県の自宅に一時住み込み、劇団の仕事を手伝うまでになっていた。 その数年後、離婚を機に膨大な蔵書の「転居」に頭を悩ませていた井上さんに、「その本を川西町に寄贈してください」と提案したのも遠藤さんで、仲間とともに本の搬出作業も担った。 文壇でも屈指の読書家で、執筆のため様々な分野の本を集めた井上さんからの寄贈は計約22万冊に上る。 当初の収蔵先となった町農村環境改善センターに、「遅筆堂文庫」が開設された。 遅筆ゆえに新作公演の開幕が遅れることもあった作家は「遅筆堂」と自称していた。 文庫はその後、約700席の劇場とともに町立の複合施設に設置され、今も親しまれている。 「こまつ座」で営業、「アリーナ」運営にも尽力(略) 突然の別れ、存続の危機――様々な苦難乗り越え(略) 沢木耕太郎さん、永六輔さん――多彩なイベント(略) 若者が輝くきっかけ目指し カーブの多い人生 (略)無我夢中で走り続けてきた半世紀。 「井上さんと出会ったことで、直線ではなくカーブの多い人生になった」と遠藤さんは言う。 その歩みをつづった原稿が昨年、小学館ノンフィクション大賞の最終候補に残る快挙があった。 惜しくも受賞は逃したが、遠藤さんは書籍としての刊行を目指している。 「自分が寄贈した本を読んだ若者が、将来スパークするきっかけになればいい」と井上さんは生前、語っていた。 その願いを受け継ぎ、「何としても次の世代にバトンタッチを」と試行錯誤し続けることの価値は、やはり掛け替えのないものであるはずだ。 読売新聞 2026/06/25 10:00 井上ひさしさんの思いをつなぐ…山形市の劇場と文庫の灯を守る事務局長の決意【読売新聞】編集委員 古沢由紀子 蔵王連峰を望む山形市郊外に、複合文化施設「東ソーアリーナ」のモダンな建物がある。演劇やコンサート、講演会などが開催される約520席のホールに、山形県川西町出身の作家・井上ひさしさん(1934~20読売新聞…