普段は優しくてにこにこしているのに、時々イラッとしたような表情になる。かつてブラック企業にいた時に心を壊されてしまった人なのだ。「あの会社の建物に火をつけて社長を頃す」とか物騒なことを言ってて、冗談かと思って聞いていたけど結構マジ。せっかく社員になったんだから過去は忘れて人生棒に振るなと周りが説得する日々だった。その人はある日、すごくがっかりしたような顔で出社してきた。かつての勤務先だった企業はつぶれ社長も恨みのある従業員も行方知れずとか。火をつけるタイミングも奴らを頃すタイミングもなくした、俺の人生終了、だと。今その人は上司の勧めで心療内科に通っているそうだ。自分が幸福になることが最大の復讐、という言葉が決して誰にでも当てはまるものではないことを知った。…