1. 匿名@ガールズちゃんねる ■一抹の物足りなさが大ヒットの要因にも 急激な時間経過と場面転換で進んでいく物語の速さには、戸惑いを禁じ得なかった。ライバル同士の2人は、生き残りをかけて相手を裏切り、術策を用いて傷つけ合うのに、決定的な対立には至らず、場面が変わると確執がリセットされてしまう。 芸の世界のえげつなさ、閉塞的な血統主義やそれに伴う非人間性、男性中心の不合理といった側面に深入りすることは慎重に回避され、憎しみよりも友情と連帯のメロドラマとして描かれる。 ドロドロした暗い情念によって停滞することがなく、物語に乗りやすい。半面、人間洞察の深みに欠ける。豪華で美しく面白い、しかしどこか甘い。カンヌでの上映が監督週間だったのは、そのせいではないか。同時に、それが日本で異例の大ヒットとなった理由でもあると思う。 2025/07/03(木) 11:33:02…