
1: ネギうどん ★ pTQYTyST9 2026-05-05 12:55:27 1983年より連載を開始したグルメ漫画の金字塔『美味しんぼ』。新聞記者の山岡士郎と栗田ゆう子が「究極のメニュー」を作るというシンプルなストーリーは、多くの読者を虜にしアニメ化もされた。しかし、アニメの中には過激な回も多く、再放送できなくなったものも存在する。今回はそんな欠番回の魅力をたっぷり紹介する。第1回。(文:編集部) 山岡士郎VS海原雄山、究極の親子ゲンカ 第23話「牛なべの味」 『美味しんぼ』には、一癖も二癖もある登場人物が多く登場する。その筆頭格が、主人公である山岡士郎の父親であり、最大のライバルでもある海原雄山だろう。 海原は、人間国宝の唐山陶人の弟子とされる人物で、陶芸や書道、絵画、文筆に秀でた大芸術家。芸術や食に関しては天才的な感性を持つが性格は傲岸不遜で、お吸い物が気に入らないというだけで茶碗を投げつけたり、食を理解しない者を豚呼ばわりしたりと、パワハラまがいの行動を数々起こしている。 そんな海原の傲慢な言動は第23話「牛なべの味」にも見られる。アフリカの詩人であるアマル・ジャルー氏を歓迎するため、上野のすき焼きの老舗「牛松」へやってきた山岡ら東西新聞社文化部一行。そんな中、たまたま海原が来店し、すき焼きを散々こき下ろすのだ。 「やはりすき焼きは肉の味の分からん者の料理だな」 「これこそ牛肉を一番不味く食べる方法だろう」 海原の舌鋒は、口直しに供されたしゃぶしゃぶにも容赦はなく、こんなものは食うには値しない、と早々に席を立ってしまう。これには番頭の竹下もたじたじだ。 しかし、一説によると、本話の本当の欠番理由は、海原の行動ではなく竹下の言動にあるという。 海原が席を立った後、ジャルー氏一行を見送った竹下。ここで彼は、柔和な顔の下に隠された本性を表すのだ。 「食通ぶったのが来たり、ワケのわからん外人が来たり、今日は客立てが悪いぜ」 原作では、黒人を揶揄する差別用語(〇〇ちゃん)になっているこのセリフ。テレビでは流石に若干緩い表現にはなっているものの、「ワケのわからん外人」は流石に不味かったのだろう。 加えて、この竹下、実は「偽物」の番頭だったことが判明する。認知症になった本物の番頭から無理やり店と土地を奪い、わざわざ本家の前に大きな店を構えたのだ。 事情を知った山岡は、本当の跡取り息子に、訴訟ではなく、店を大きく育て上げた方がいい、と進言。しゃぶしゃぶとすき焼きを折衷した「シャブスキー」なる料理を発案して跡取り息子に作らせ海原に味を認めさせることで、再び本家の評判を取り戻した。 作中では傲慢な態度が目立つ海原。そんな彼が人知れず一人の男を救った貴重なエピソードとなった。…