全てのレス元スレ 1: ◆TOYOUsnVr.:2019/05/11(土) 16:33:18.87 :QfZnhCgW0 よく振った炭酸飲料を開けたときみたいな音をたてて、電車のドアが開いた。 乗客たちはそれが「よーいどん」の合図であるかのように、一斉に降りていく。 携帯電話を鞄へ戻し、その流れに私も乗った。 乗客たちは電車を降りた後も一糸乱れぬ動きでエスカレーターに吸い込まれていく。 その様子をぼんやりと眺めていたところ、不意に肩を叩かれた。 見つかってしまったか、と伊達眼鏡を外し、笑顔に切り替える。 そこには見慣れたスーツ姿があった。 「なんだ。プロデューサーか」 「なんだとはご挨拶だなぁ」 「だって、ファンの人に見つかったのかと思ったから」 「あー。……いや、見つかりたくないんならもっと変装したらいいだろ」 「してるよ。ほら」 左手で眼鏡のフレームを軽くつまんで、上下させてみせる。…