
1: 匿名 2026/02/07(土) 08:19:05.36 ID:VV9dWLmU9 週3万5000円で生きる「貯蓄ゼロ」シニアの“その日暮らし”の実情「年齢不問の求人でも断られる」激増する高齢労働者 集英社2/5 厚生労働省の「国民生活基礎調査」(2022年)によると、65歳以上の高齢者世帯のうち11.3%が「貯蓄がない」と回答している。そもそもこの割合は多いのか、少ないのか。そして貯蓄ゼロの高齢者は、実際どんな生活を送っているのか。 『ルポ 過労シニア 「高齢労働者」はなぜ激増したのか』(朝日新書)より一部抜粋、再構成してお届けする。 ■若者風ファッションの老いた派遣労働者 「USA」とプリントされたキャップ帽、メジャーリーグ風の赤と青のスタジャン、骸骨がプリントされたGパンをはいた痩せた体。ファッションは若者風だが、帽子と黒マスクを外すと、頭のはげた、?のたるんだおじいさんが現れる。 Dさんには貯金も、人生計画もない。その日暮らしの生活を未だに送っている。服装も生活も、10代の頃のまま60代になった。 「いろんな仕事をしてきた。派遣はけっこう長くやってる」 Dさんは都内にある、家賃3万円のアパートに暮らしている。平日は朝6時に出て、今の派遣先の工場がある湾岸エリアまで電車で移動する。派遣会社は交通費を全額支給してくれない。JRのほうが早いが、私鉄のほうが節約できる。 朝7時開店の駅そばで、まずは朝食を取る。お気に入りは、春菊の天ぷらそば。食べ終わるとコンビニのイートインスペースの片隅に座って、140円のコーヒーでまったりとした時間を過ごす。服装は作業用ズボン、上着はいつものスタジャン、USAのキャップ帽。出勤は8時半。派遣先のある湾岸エリアには、東京湾を囲むように多数の倉庫が立ち並んでいる。最寄り駅から、倉庫作業に向かう人の群れが続々と倉庫へ吸い込まれていく。 Dさんが現在派遣されているのはレンタルされたパソコンやWi-Fiのルーターなどの修理及びクリーニングを行うメンテナンス工場だ。派遣の中年女性たちと、作業服を着た社員が、ロッカールームで安全靴に履き替える。 「今日はこちらの作業をお願いします。数をたくさんこなすよりも、丁寧にキレイに、やり直しがないように」 Dさんが「カチョー」と呼ぶ、作業着姿の40代くらいの社員が、今日の業務を説明する。説明と言っても、やることはだいたい同じだ。 この日は、パソコン本体につなぐ、電源コードのクリーニング。しかし、これがけっこうな肉体労働なのである。 ■派遣に行けば女の人と話せる クリーニングをするコードは、1日あたり800本ほどで、手作業で行う。鉄製のパイプにつり下げられた数百本のコードの束は、メデューサの髪のように太くうねっている。 この束から1本ずつコードを取り、洗剤をつけたボロ布でしごく。しごく時は力を入れないと、ホコリは綺麗に取り除けない。下を向いて作業するので、何百本とこなすうちに、肩や腕は疲労し、指にはタコができる。しかし、Dさんにとっては、これくらいの労働は大したことない。 「散々キツイことやってきたから、これくらいは平気だよ。こんなのはキツイうちに入らない」 コンセントのプラグに付いた汚れは歯ブラシで取る。作業が雑だとやり直しを命じられるから、手は抜けない。Dさんの私生活にはパソコンもないし、ルーターもない。掃除している機器が、何に使われ、どこから来て、どこへ行くのかも知らない。ただひたすら硬い機械の表面を、拭き取り続ける。工場内は天井が高く、機械とダンボールがところ狭しと並び、鈍い機械音が響いている。働く人は驚くほど少なく、数名のエンジニアがパソコンに向かってもくもくと作業している。 「時給は1230円。週払いだと、いろいろ引かれるから手取りは3万5000円くらいかな」 Dさんと同じ作業をする派遣社員はだいたい2-3名で、女性が多い。 「この仕事のいいところは、派遣の女性たちと仲良くできること。女の人と話せるのがラッキー」 働く目的が「女の人と話せる」というシニア男性は実は多い。Dさんも昼休みに休憩室で派遣の30?60代の女性たちに囲まれ、コンビニ弁当を食べるのが楽しみだ。 (中略) Dさんにとってお金を増やす方法は、平和島のボートレースだ。 「競艇のYouTube見て、この選手、調子良さそうだなと思ったら、仕事の後にそのまま競艇に行く」 かけるのは100円や200円。競艇新聞に赤ペンを入れるDさんは真剣だ。 「周りは結婚しろしろって、うるさいんだよね。割と年は若く見られるほうだからさ」 Dさんは自分が20~30代のような口ぶりで語る。正直に申し上げると、最初にDさんに会った時、70歳以上に見えた。 ※全文は出典先で…