1 名前:昆虫図鑑 ★:2025/12/29(月) 08:40:25.20 ID:UFn2TTPq.net 「わが国の自殺率はどうしてこんなに高いんですか?」 李在明(イ・ジェミョン)大統領が公開の国務会議で問いを投げかけてから6カ月が過ぎた。新たに就任した国の最高指導者が公開の席上で韓国の自殺問題に正面から言及したことから、「今度は変わるのではないか」という期待があった。自殺はもはや個人の悲劇だと考えてばかりはいられない「国が責任を持って扱うべき公衆保健の問題」だとの認識が、ついに反映されるだろうという期待だ。 しかし6カ月が過ぎた今、その期待は失望に変わった。政策の方向性は見えず、実行のスピードは遅く、責任の主体もはっきりしない。このままでは、2026年も2025年と大差ない1年になる可能性が高い。だから、歯がゆく切迫した気持ちで、今年の最後のコラムをこのテーマで締めくくりたいと思う。 韓国が経済協力開発機構(OECD)の加盟国中、自殺率で1位だという汚名を着せられてから、22年という歳月が流れた。その長い年月の間、どの政権もきちんと対応したとはみなしがたい。あげくの果てに10年ほど前、韓国の自殺率の高まりを懸念したOECDの諮問団が訪韓し、メンタルヘルスのインフラの拡充を要求したが、政策的変化は起きなかった。ついに市民たちが最近、国会前で1人デモを行い、「命を全うしましょう」という自発的な市民運動を始めたが、制度と予算の裏付けがないという現実の壁は今も高いままだ。政界の関心は一時的な言及にとどまり、実際の政策の変化にはつながっていない。 一部の人たちは、自殺率の高さを「社会の構造的な問題」でのみ説明し、経済が改善して暮らしやすい世の中になれば自然と自殺率も低下するはずだと語る。一見妥当そうにみえる主張だ。しかし、これは事実とは程遠い話だ。世界のどこにも、メンタルヘルスのインフラを構築せず、国が積極的に介入することなしに、自殺率が自然と有意に低下した例はない。逆に、国が直接介入して長期的、体系的に自殺防止政策に投資してきた国々(フィンランド、日本、英国など)は例外なく成果をあげている。 日本はその代表例だ。一時は韓国の自殺率の2倍以上を記録し、1980年代から90年代にかけて自殺共和国と呼ばれていた日本は、2006年に首相と国会の主導で自殺防止を国の最重要課題に設定し、大々的な政策を実行した。救急メンタルヘルスシステムの構築と地域社会を基盤とするメンタルヘルスシステムの拡充、報道ガイドラインの強化、過労死・失業・債務問題に対する早期介入、中央政府と地方自治体の明確な役割分担が同時に行われた。その結果、日本の自殺は過去20年間で約40%減少し、昨年は1978年以降で最低を記録した。近年は青少年の自殺率の高まりを受けてこども家族庁を新設するとともに、自治体ごとに学際的なメンタルヘルス緊急対応チームを置いている。一方、韓国が自殺防止に投入する予算は、日本のいち自治体である東京都の自殺防止予算の10分の1ほどに過ぎない。来年の自殺防止予算は28億ウォン増額されたが、絶対的な規模が小さ過ぎる中、このような小規模な増額では自殺率を実質的に下げることは難しい。 (略) 私は、一国の自殺率は、その国を率いる人々が国民の命にどのように向き合っているかを示す最も正直な指標だと思う。今、この文章を書いている約2時間の間にも、統計的には3人ほどの国民が自ら命を絶っている。これは単なる数字ではなく、誰かの子ども、親、友人であるかもしれない一人ひとりの国民だ。 保健福祉部は2029年までに、現在は10万人当たり29.1人の自殺率を19.4人まで下げると発表している。しかし、明確な目標設定と責任主体、破格の政策と予算なしに、この数字が達成される可能性はない。自殺防止の国政の最重要課題への格上げ、メンタルヘルスおよび自殺防止の予算と人材の数倍拡充、自殺防止庁の設立によって、失敗した時に責任を問う構造を作らなければならない。 OECDで自殺率1位という汚名を30年に延ばすのか。2026年の終わりに再び同じ問いを繰り返さないようにするためにも、今この瞬間、国は答えなければならない。 ナ・ジョンホ|米国精神科専門医 引用元:…