71: 本当にあった怖い名無し 2010/08/11(水) 18:49:54 ID:oVT/5iBN0 小学2年になって引っ越すまで住んでいた家について、いろいろと不思議な体験がある。 片田舎というほどでもなくそこそこ拓けた新興住宅地の片隅にある賃貸の平家だった。 一年中じめじめとした、いつも陰影をまとったような情景が思い浮かぶ。 背の高い土蔵のような隣家に挟まれ、庭にひしめくように植えてあるビワの木のせいで 日中も陽が当たらない。 「もともとあそこは田んぼだった」という母の言葉を後年聞いて、なるほどと思ったものだ。 床板や柱はどれも黒ずみ朽ちやすく、そしてどこからともなくカビのような臭いが漂う、そんな家だった。 記憶が定かではないが小学生に上がる前の年、夏の夕方ことだった。 その日は昼前から新興住宅の区画に住んでいる友達Yちゃんの家で遊び、夕飯前にという親の言いつけを 忠実に守って帰宅したところで母が呆れたように言う。 「あんた、また遊びに行ってたの?」 「ううん、ずっとYんとこにいってた」 また、といわれて不思議だった。母は弟と一緒に午後から出かけていたという。 帰宅して母の友人から電話があった際に、電話に出たのが私だというのだ。 私が一度家に帰ってきて電話を取ったと思ったらしい。 「おかしいねぇ…だれが電話でたのかね」奇妙な出来事ではあったが、その話題はそれでおしまいだった。 数日後、また同じような出来事があった。 今度は家族全員で外出していた。翌日、前回と同じ母の友人がまたこんなことをいった。 「N君(私)が留守番してて、みんないませんって」…