
1: 煮卵 ★ QQKyJOid9 2026-10-31 10:15:45 障害児らが通う特別支援学校で、教員不足が深刻化している。文部科学省が今年公表した調査結果では、教員の定数に対する不足人数の割合(不足率)は直近4年間で3倍近くに増加した。発達障害のある子どもが増えていることが背景にある。 石川県では今年6月、授業中に行方不明になった男子児童が死亡する事故も起き、専門家が早急な対応を訴えている。 ◼4年で「不足率」3倍近く 石川県小松市の県立小松特別支援学校で今年6月、5年生の男子児童(当時10歳)が授業中にトイレに行こうと席を立ったまま行方不明になり、翌日に約1キロ離れた滝で死亡しているのが見つかった。 「突発で何かがあった時に対応できる人員が十分ではない」。塩田憲司・県教育長は7月の記者会見で、そう語った。県は9月、特別支援学校5校で校内を循環する「見守りスタッフ」を新たに9人配置した。 文科省が今年公表した実態調査によると、全国の特別支援学校に配置されている教員数は、昨年5月時点で8万2320人。定数に対して589人不足しており、「不足率」は0・71%となった。 5年前は7万8632人の定数に対して不足は205人(不足率0・26%)で、3倍近くに増加したことになる。小中高校でも教員は不足しているが、特別支援学校は各割合と比べても大きく上回っている。 ◼「発達障害」の診断増加 増加の要因について、国立成育医療研究センターは、発達障害の認知度が高まり、保護者が子どもを受診させるケースが増えたことを挙げる。特に近年は5歳児健診の普及が全国で進み、障害の特性を早期に把握し、就学前から必要な支援につなげる動きが広がっているという。 特別支援学校に通う児童生徒数も増え続けており、今年5月現在で過去最多の16万3000人に達した。 ◼都市部では教室も足りず 都市部では、特別支援学校の教室不足も深刻となっている。 きめ細かい指導や目配りが必要とされる特別支援学校の小中学部では、1学級あたり児童生徒6人が標準的な定員とされている。そうした中でも児童生徒数が増え続け、文科省の調査では昨年度、全国の公立支援学校で3192教室が不足していることが判明した。 東京都江東区の「都立臨海青海特別支援学校」の小学1年のクラスでは、間仕切りで2分割された縦長の教室で児童6人が学ぶ。 小学1年~中学3年が通う同校の全校児童生徒は、3年前は46学級222人だったが、今年は70学級346人(4月現在)に膨れ上がった。19年に完成した校舎は既に教室が足りない状態。今年度からは間仕切りで分割したり、被服室を教室に転用したりしている。 同校では児童生徒が失踪するなどの緊急事態に備え、各教室に校内放送を流せる電話を配備している。しかし、教室の分割で、電話やスピーカーがないクラスもある。小原由嗣校長(60)は「担任が隣のクラスに放送内容を伝えるなど、今まで以上に教職員同士の連携が重要になる」と話す。 特別支援教育の現状について、教育研究家の妹尾昌俊さん(47)は「見守る態勢が充実しないまま、教育現場に『もっとやれ』と言うのは無理がある」と指摘。「外部人材を登用したり、大学の教職課程で支援学校の教員免許を取りやすくしたりするなど対応を急ぐ必要がある」と訴えている。 ◼学習上の負担軽減「配慮義務化」 文部科学省によると、通常の学級で学ぶ発達障害の子どもも2024年までの20年間で6倍超に増えている。同年施行の改正障害者差別解消法では、私立学校を含む全ての学校で障害児の生活・学習上の負担を軽減する「合理的配慮」が法的義務となった。 国立成育医療研究センター発達評価支援室の上出杏里室長は、合理的配慮の例として、板書の書き写しが難しい子に撮影を許可したり、感覚過敏の子に静かな場所での休憩を認めたりすることを挙げる。 その上で、「障害のある子が適切な支援を得られないと、抑うつや不登校などの二次的な問題につながることもある。周りの大人によるきめ細かいサポートが欠かせない」と指摘する。 (広瀬航太郎) [読売新聞] 2026/10/31(土) 5:00…