1: 名無しの旅人 2026/10/20(火) 11:32:27.19 ID:3NiRKkA79 コロナ禍の終息から3年。インバウンド(訪日外国人客)の回復も一因となり、観光地や繁華街でごみのポイ捨て被害が深刻さを増している。 東京都は違反者に過料を科す条例の制定に向けた議論を本格化させた。実際に徴収が始まれば、都道府県では初の試みとなる。都が規制強化にかじを切った背景を探った。(五十川由夏) ◼分別なし 飲食店前に置かれた事業系ごみの上に、酒の缶や瓶、飲食物の空き容器が投げ捨てられて積み重なり、カラスが群がる。人目につかないビルの隙間にもごみが押し込まれ、路上には壊れたビニール傘が無造作に捨てられていた。 新宿区が2025年度に繁華街の路上から回収したのは164トンで、19年度から26トン増えた。区が25年度に家庭などから集めたごみ(約6万4000トン)と比べると少ないものの、分別されていないため収集に手間がかかる。日本人に交じって捨てていく外国人の姿もあり、地元商店街の杉山元茂理事長(73)は「夜になると、ごみが湧くように増える」と嘆く。 ◼バーベキュー 問題は繁華街だけにとどまらない。埼玉、山梨両県に接する奥多摩町ではコロナ禍以来、河原のバーベキューごみが目立つ。アジア系外国人らの間で「密」を避ける場所としてSNSを通じて広まったとみられ、町観光産業課の大串清文課長は「町だけで対応するのは難しい」と明かす。 小池百合子都知事は9月の都議会で、「持続可能な観光の発展には地域との調和が重要」と述べ、ポイ捨てを禁止する条例を制定する考えを示した。都は28年度の施行を目指している。 読売新聞による9月の調査では、11道県に罰則つきの条例があるが、徴収した実績はない。「専門の人員がいない」(北海道)のが主な理由という。都がモデル事例に位置づけるのが、6月から2000円の過料徴収を始めた渋谷区だ。 ◼24時間巡回 「たばこを捨てましたね」。9月15日、外国人観光客らでにぎわう渋谷駅前のスクランブル交差点近くで、区の指導員がネパール人の男性(24)に声をかけた。キャッシュレス決済で支払った男性は「知らなかった。他の人もやっていたから」と肩をすくめた。 多い日は60人の指導員が24時間体制で区内を巡回する。区によると、6~9月に延べ約1500人が過料の対象となり、4分の1を外国人が占めた。路上喫煙への過料制度を基にしており、渋谷センター商店街振興組合の鈴木大輔常務理事は「ポイ捨ては街の困りごとだった。ごみは確実に減っている」と歓迎する。 大阪大の大久保規子教授(行政法)の話「条例に実効性を持たせるためには、確実に徴収できる体制だけでなく、『ポイ捨ては許されない』という風潮を醸成することも大切。ごみの発生元になる事業者にも条例づくりに参画してもらうことが有効だ」 ◆過料=自治体などが科す金銭的な制裁で、条例の場合は原則5万円以下。刑事罰の罰金や科料と異なり、前科はつかない。 ◼訪日客の困りごと「ごみ箱の少なさ」 訪日客も戸惑っている。2019年度以降、観光庁が尋ねた困りごとのトップは「ごみ箱の少なさ」だ。米国から来日したアンドレア・ヒックスさん(33)は「ガイドから『街中にごみ箱はほとんどないので、袋を持ち歩いて』と言われて驚いた」と話す。 街からごみ箱が姿を消したのは、1995年の地下鉄サリン事件が契機とされる。大阪公立大の水谷聡教授(廃棄物管理工学)は「テロ対策名目に、収集が有償化された家庭ごみの持ち込みも重なった。処理コストがかさむごみ箱は『設置すると損をする』ようになった」とみる。 オーバーツーリズム(観光公害)の拡大で、揺り戻しの動きも出ている。年間1200万人超の外国人が訪れる京都市。観光名所・嵐山の商店街は、市や住民との話し合いを経て昨年、8年ぶりにごみ箱6台を通り沿いに復活させた。 導入したのは太陽光発電でごみを自動で圧縮し、空き容量も遠隔で把握できるスマートごみ箱。商店街の会長で、商品の竹かごに食べ物の包み紙を入れられたこともある石川恵介さん(57)は「ごみが驚くほど減った」と語る。 東京都千代田区も来月、アニメやゲームの「聖地」として知られる秋葉原で22台のスマートごみ箱を稼働させる。区は「放置されたごみが、区民生活に大きな影響を及ぼしていた」と説明する。 東京都も条例案に事業者らの責務を盛り込むことで、駅を含む公共の場にごみ箱を増やしていく考えだ。 [読売新聞] 引用元:…