夜の倉庫で、スマホの動画を見ていたところに上司が突然現れた。投稿者はとっさにスマホをしまい、そばにあったクリップボードをつかんで、忙しそうに通路を歩き回る。ところが「何の作業をしてるんだ?」と聞かれて口から出たのは、職場では使っていないはずの区画の名前だった。嘘をひとつつくと、次の嘘が要る。質問が重なるたびに話は苦しくなり、最後に上司が手に取ったクリップボードには、白紙しかはさまっていなかった。 ※注:クリップボードは、紙をはさんで持ち歩く板のこと。倉庫では点検表や出荷リストをはさんで使うので、手に持って歩いているだけで作業中に見える。 何をやらかした? 📌 倉庫で働く投稿者が、勤務中にスマホで動画を見ていたところへ上司が突然現れた。白紙をはさんだクリップボードを手に忙しいふりをしたが、「何の作業をしてるんだ?」から始まる質問に嘘を重ねて行き詰まり、最後は「正直、午前0時を過ぎたらほとんど何も」と自分で認めた。その結果、「役割の明確化」についての面談が入った。 事の発端 いつもなら、箱の陰でポテトチップス 投稿者の職場は倉庫だ。元の投稿の題で、本人は「何週間もまったく何もしていなかった」と書いている。 ふだんは箱の陰に座って、有名な筒入りポテトチップスの類似品を食べている。本人にとっては、それが「いつもどおり」だった。 上司が、何の前触れもなく現れた 投稿の前の晩のことだ。上司が突然、姿を見せた。 投稿者はそのとき、スマホでYouTubeを見ていた。ゲーム『エルデンリング』のキャラクターの育て方か何かの、どうでもいい動画だったと思うが、何を見ていたのかは本人もはっきり覚えていない。頭の回路がショートしたような感覚だった、という。 投稿者はスマホをポケットに押し込み、いちばん近くにあったクリップボードをつかんだ。それさえ持てば、たちまち「月間最優秀社員」になれる、とでもいうように。働きぶりのよい人を毎月選んで表彰する、職場の制度のことだ。 やらかしの一部始終 箱にうなずきながら、速足で通路を歩く 投稿者は忙しいふりをして、棚のあいだの通路を歩きはじめた。ただ、歩くのが速すぎた。棚の箱に向かって、「うん、これは間違いなく箱だ。みんな、いい仕事をしている」とでも言うようにうなずいて回る。 本人も認めるとおり、どう見ても様子のおかしい人だった。当然、上司の目に留まる。 「セクションCの差異を確認しています」 上司が近づいてきて、聞いた。「何の作業をしてるんだ?」 ごく普通のことを答えればよかった。ところが、投稿者の口から出たのはこうだった。「ええ、セクションCの差異を確認しています」 差異というのは、記録と実物の食い違いのことだ。それらしく聞こえはする。だが、なぜ「セクションC」と言ったのかは、自分でも分からない。そもそもこの職場では、場所をそんなふうに呼んでいないはずだという。 上司は、空は緑色だとでも聞かされたような顔で一瞬黙り、聞き返した。「どの差異だ?」 投稿者は固まりかけた。けれども、固まるより先に口のほうが動いていた。「遅れてるやつです」。それで何かが伝わるはずもない。 「ええ、そこが妙なんです」 上司は言った。「見せてくれ」 こうなると、連れていくしかない。投稿者は、あてがあるような顔で上司を倉庫の奥へと案内した。実際には何の考えも無い。適当に方向を決めて、何かが現れてくれるのを祈りながら歩いているだけだった。 行き当たりばったりの棚の前で足を止め、箱をあれこれ指さす。上司は箱を順に確かめて、こう言った。「ここは全部問題ないぞ」 焦った投稿者は答えた。「ええ、そこが妙なんです」。頭の中では、気の利いた返しに聞こえた。声に出してみると、ただ支離滅裂なだけだった。 存在しない「夜間マネージャー」 上司はさらに聞いた。「誰の指示だ?」 投稿者は答えた。「夜間マネージャーです」。口から出た瞬間に、まずいと分かった。この職場に、そんな役職の人はいないからだ。なぜそれで通ると思ったのか、と本人も書いている。 クリップボードには、白紙しかはさまっていなかった 上司は投稿者を見た。怒っている様子は無い。ただ、疲れた顔だった。そして、投稿者の手からクリップボードを取った。 はさんであったのは、白紙だけだった。つかむ前に確かめもしなかったので、何も書かれていない紙が重なっているだけ。本人いわく、「仕事のコスプレをしているみたい」だった。 上司はため息をついて、聞いた。「実際は何をしてるんだ」 投稿者は軽く肩をすくめて答えた。「正直、午前0時を過ぎたらほとんど何も」。ここまで来たら、取り繕って守れるものはもう残っていなかった。 その後 この一件で、投稿者には「役割の明確化」についての面談が入った。職務の内容をはっきりさせましょう、という人事の言い回しだ。ただ、本人の受け止め方は違う。「何もしていないところを見つけたけれど、これは手続きの問題だということにしておかないといけない、という意味の会社用語だと思う」 投稿の最後には「要約」と前置きして、こう書かれている。いつもどおり箱の陰に座ってポテトチップスを食べていれば、何も起きなかった気がする。それなのに、たった5分、働いているふりをしようとしたばかりに、完全に自滅した。上司が気にしすぎるのも原因の一部だと思ってしまう(笑)、とも。締めくくりは「たぶん、もうここは終わりだ」。 面談がどうなったのかは、投稿にも、コメント欄での本人の返信にも書かれていない。返信はどれも、投稿した直後のものだ。ただ、そこで本人がいくつか補足している。 まず、仕事の実態について。「勤務の前半は、たいていやることがある。午前0時を過ぎるとぱったり無くなって、頭のほうも完全に止まっていた」。別の返信では、「早い時間に全部片づけてしまって、あとの何時間かは、ただそこに居るだけになっている。もっとペース配分を考えないと」とも書いている。 わざとらしい働きぶりはかえって怪しまれる、という指摘には、「まさに同じ大げさな演技をやって、10倍悪くした。普通にしていればよかった」と認めた。 面談については、「自分の担当を説明して、広げてもらう機会にもなる」という助言に、こう返した。「たしかに。どうせなら、ただ絞られて終わるより、もっと仕事をくださいと頼んでみてもいいかも」 なお、元の投稿は句点がひとつも無い、ひと続きの長い一文で書かれている。コメント欄では、その書き方も話題になった。 海外の反応 1. やらかし名無しさん ふだんは、句点も無しにだらだら続く文章を見るとイラッとする。でも今回は、あの切れ目の無さが話の慌ただしさにぴったりで、楽しく読めた。お見事。 2. やらかし名無しさん(>>1への返信) 投稿者です。正直、パニックのまま打ち込んだだけなんだ。でも言われてみれば、あのドタバタには合っていたかも(笑)ありがとう。 3. やらかし名無しさん ひょっとすると上司は心の底から感心していて、誰もが憧れるセクションCへの異動が決まるかもしれないよ。 4. やらかし名無しさん(>>3への返信) 投稿者です。そうそう、セクションCの「架空物流部長」に昇進するんだ。ついに出世したよ😭 5. やらかし名無しさん(>>4への返信) その人事は、まず夜間マネージャーの承認を取ってからだな。 6. やらかし名無しさん で、投稿者さん。結局のところ、あなたはこの職場で具体的に何をしている人なんですか? 上司と同じことを聞いて悪いけど。 7. やらかし名無しさん(>>6への返信) セクションCを専門とする、差異発見の職人です。見つけた差異は、夜間マネージャーのところへ届けています。 8. やらかし名無しさん 忙しく見せたいなら、ほうきを持って床を掃くという定番があるだろうに。そもそも、ふだん決まってやる仕事があるんじゃないの? 自分の職場で何をすることになっているのか、どうしてあそこまで説明できないのかが分からない。 9. やらかし名無しさん(>>8への返信) 投稿者です。職歴の取り調べみたいだな(笑)勤務の前半は、たいていやることがあるんだよ。午前0時を過ぎるとぱったり無くなって、頭のほうも完全に止まっていた。 10. やらかし名無しさん(>>9への返信) きつく言うつもりは無かったんだ。前の職場に、勤務中ずっとスマホをいじっていて、上の人が来たとたんにカウンターによじ登り、天井の扇風機のほこりを払いはじめる人たちがいてね。わざとらしすぎて、かえって怪しまれていた。それを思い出してしまったんだよ。 11. やらかし名無しさん 働くことは、普通は仕事の一部なんだよ。それをやっていないなら、いつまでもそこに居られるとは思わないほうがいい(笑) 12. やらかし名無しさん(>>11への返信) 一応言っておくと、「何も壊れていないか見張って、壊れたら客に気づかれないよう全力で直す」という仕事を、自分はいくつもやってきた。たいていの日は楽で、たまに大ごとが起きると、調べて直して報告しての繰り返しが何時間も続く。週40時間働くことにではなく、何かあったときのために週40時間そこに居ることに、給料が払われていたんだ。 13. やらかし名無しさん(>>12への返信) 待機も仕事のうち、というのは分かる。でもそれは、会社もそのつもりで雇っている場合の話だよね。投稿者は、聞かれてとっさに嘘を重ねたんだから、自分でも後ろめたかったんだと思う。何週間も何もしていなかったのなら、そのあいだの給料は何に払われていたのか、という話にはなるよ。 14. やらかし名無しさん 「夜間マネージャーです」「何を言ってるんだ、うちに夜間マネージャーなんていないぞ」(目を大きく見開いて)「じゃあ……この何週間か、自分は誰と話していたんですか!?」 ほら、これで解決。幽霊を見たことにするか、幻覚だったことにすればいい。 15. やらかし名無しさん 笑ったけど、同じ職場で真面目に体を動かしている人がいるなら、その人から見れば笑い話じゃないと思う。箱の陰でポテトチップスを食べている人と、同じ扱いなんだから。 16. やらかし名無しさん 十分な仕事を割り振っていないのは管理する側の落ち度なのに、それを投稿者の問題にしているように聞こえる。作業のペースを落として、勤務時間いっぱいに仕事が行き渡るようにしてみたら? 17. やらかし名無しさん(>>16への返信) 投稿者です。それは確かにあるんだ。早い時間に全部片づけてしまって、あとの何時間かは、ただそこに居るだけになっている。もっとペース配分を考えないとね。 18. やらかし名無しさん(>>16への返信) 半分は賛成、半分は反対。投稿者はぼんやり座っている前に、やることが無いかシフトの責任者に聞きに行くべきだよ。休憩するのはまったく構わない。でも、何をするでもなく動画を眺めているのは、ちょっとね。自分が同じ立場なら、「割り当てられた作業が全部終わったので、少し休んでいました。ほかに手伝えることはありますか?」と言う。 19. やらかし名無しさん 昔、食料品店で夜間の品出しをしていた。作業員4人に、夜間マネージャーが1人という体制だ。ある日、マネージャーが不在のうえ、2人が欠勤の連絡をしてきた。残った自分ともう1人は、必死にやって全部終わらせてやろうと決めた。実際にやり切って、店じゅうの棚の商品をきれいに並べ直しても、まだ1時間余った。それで店の前に座って、日勤のマネージャーが来て「帰っていい」と言ってくれるのを待っていたんだ。出勤してきたマネージャーは、座りこんでいる自分たちを見て、いったい何ごとだという顔をした。店内を一緒に回って仕上がりを確かめると、「よくやった、帰っていいぞ」。ふだんは全員そろっていても、一晩でそこまで終わることは無かったんだけどね。次の出勤日に行くと、夜間マネージャーと、ほかの作業員1人がクビになっていた。自分たちの頑張りのせいで、3人体制にされてしまったわけだ。頑張った人へのごほうびは、さらなる仕事。痛い目にあって学んだよ。 20. やらかし名無しさん 自分も、こなせる量ややりたい量より仕事が少ない職場にいたことがある。今度の面談は、自分の担当を説明して、できれば担当を広げたいと伝える機会にもなるよ。 21. やらかし名無しさん(>>20への返信) 投稿者です。たしかにそうだね。どうせなら、ただ絞られて終わるより、面談でもっと仕事をくださいと頼んでみてもいいかも(笑)うまくいくかもしれない。 22. やらかし名無しさん 大学の図書館で働いていたとき、途中で立場が変わったのに職務内容の書類は書き直されず、自分が何をすべきなのか誰にも分からない状態が何か月も続いた。受付を離れられない時間帯は、はた目には何もしていないように見えていたと思う。人員整理で最初に切られたのは自分だった。投稿者に必要なのも、たぶん同じで、何をする役目なのかをはっきりさせてもらうことだと思う。面談には期待しすぎずに臨んで、もし処分の話になったら、午前0時を過ぎて本来の仕事が減ったあとは何をしていればいいのか、はっきり決めてほしいとこちらから求めるといいよ。 まとめ 上司の前で忙しいふりをしたら、質問のたびに嘘が増え、最後は白紙のクリップボードと「午前0時を過ぎたらほとんど何も」という白状にたどり着いた、という告白でした。コメント欄は「セクションC」と「夜間マネージャー」をめぐる冗談でにぎわう一方、働いていないなら長くは居られないという指摘と、仕事を割り振らない管理側にも問題があるという声の両方が並びました。面談の結果は、まだ書かれていません。本人は、もっと仕事をくださいと頼む場にするのもありかも、と話しています。 元ソース: 職場で仕事をしているように見せようとしたら、何週間もまったく何もしていなかったことを、うっかり自分でばらしてしまった The post 「セクションCの差異を確認しています」夜の倉庫で忙しいふりをしたら、上司の質問が止まらず、白紙のクリップボードまで見られた話 appeared first on やっちまった!海外のやらかし告白.…