約4年間、毎日使ってきたコーヒーグラインダー(豆を挽く機械)。ある日、挽いた粉のかたまりが、糸を引きながら落ちてきた。珍しく気になった投稿者は、粉の出口を懐中電灯で照らしてみる。そこにいたのは、迷い込んだ1匹のクモなどではなかった。何世代にもわたって栄えてきた、クモたちの一大社会だったのだ。投稿者はこの発見を、まるで神話でも語るような大げさな調子で報告している。少なくとも3年、自分はその巣を通ってきたコーヒーを飲んでいたのだ、と。 何をやらかした? 📌 約4年間、毎日使ってきたコーヒーグラインダー。ある日、粉のかたまりが糸を引いて落ちてきたので、注ぎ口(挽いた粉の出口)のカバーを外し、懐中電灯で中を覗いた。そこでは、何世代にもわたるクモたちが巣を張って暮らしていた。クモたちは注ぎ口の内側に、もうひとつの注ぎ口を築いていたという。投稿者いわく、少なくとも3年間、クモのお尻を通ってきたコーヒーを飲んでいたことになる。 事の発端 約4年間、毎日使ってきた1台 元の投稿の題名は、「コーヒーグラインダーを覗いてしまった」。主役は、投稿者が約4年間、毎日使ってきた1台だ。 半手動式の機械で、ポルタフィルター(エスプレッソ用の粉を受ける、取っ手つきの金属の器具)をボタンに押し当てると動き出す。 押しても、すぐには出てこない粉 使い始めて1年ほどたった頃だろうか。投稿者は、あることに気づいた。ボタンを押してもすぐには粉が出てこず、中で少し溜まってから、ようやく出てくるのだ。 けれど投稿者は、「きっと最初からこうだったんだろう」と思うことにした。そして本人の言葉を借りれば、「自信満々で、そのまま人生を先へ進めた」。 やらかしの一部始終 糸を引いて落ちてきた、粉のかたまり そして、投稿した当日のこと。グラインダーを動かすと、いつもより長く粉が溜まったあとで、粉のかたまりがぼとりと落ちてきた。しかもそのかたまりは、1本の糸で注ぎ口の内側とつながっていた。 このときばかりは、投稿者も珍しく好奇心を覚えた。ポルタフィルターを置き、注ぎ口のカバーをするりと外す。中にはさらに何本もの糸が張られていて、どれも小さなコーヒーの粉をくっつけたまま、ふるふると震えていた。 投稿者は思った。「あらま! ちっちゃなクモさんが、夜のあいだに入り込んじゃったのかな?」 パンドラのごとく、懐中電灯を取りに行く ここから投稿者の語りは、一気に神話めいてくる。できるだけ元の調子のまま紹介しよう。 「あの運命の日のパンドラがそうであったように、私は、芽生えたばかりの好奇心を抑えることができなかった。わが家臣たちにとってはまことに不幸なことに、私は懐中電灯を取ってくると、グラインダーをひっくり返した。そして知ったのである。わが信頼するコーヒーグラインダーの中にいたのは、ちっちゃなクモさん1匹などではなかった。そこには何世代にもわたる社会があり、デリンクユの人々すら顔負けの、広大な建造物の中で営まれていたのだ」 ※ パンドラ:ギリシャ神話に登場する女性。開けてはならない箱(古い伝承では壺)を好奇心から開けてしまい、あらゆる災いを世に放ったと語られる。 ※ デリンクユ:トルコ中部のカッパドキア地方にある、古代の巨大な地下都市。地下深くまで何層にも掘り下げられ、最大で約2万人が身を隠せたといわれる。 ※ 「わが家臣たち」は、グラインダーの中に住んでいたクモたちのこと。 注ぎ口の中の、もうひとつの注ぎ口 投稿者の報告は続く。 「彼らが、降りそそぐ粉の豪雨に備えていた形跡も見てとれた。あの豪雨は、彼らの民に語り継がれる言い伝えのなかで、重要な役割を果たしてきたに違いない。彼らは注ぎ口の内側に、もうひとつの注ぎ口を築いていた。そして、その注ぎ口の壁の中こそが、彼らの住まいだったのである。だが、ついにその日が来た。この私が、無限の英知でもって浴びせかける豆の津波に、彼らの建造物が持ちこたえられなくなる日が」 つまりクモたちは、注ぎ口の内側に糸で筒を張り、その壁の部分に住んでいた。その筒が、この日とうとう粉の重みに耐えきれなくなった、ということらしい。 その後 投稿は、こんな自問で締めくくられている。「知らないままでいたほうが、私は幸せだったのだろうか」。 投稿者によれば、今日の自分は、たったの一撃で、栄えていた生き物たちの共同体を解体してしまった人間だ。しかもそれと一緒に、自分の中にあった確信、つまり「危ない目に遭わない程度には、ちゃんと気を配って暮らせている」という思い込みまで、きれいに壊してしまったという。 そして最後に、長い物語が一行にまとめられる。「要するに私は、少なくとも3年間、クモのお尻を通ってきたコーヒーを飲んでいたのである」。 グラインダーを使い始めて約4年。粉が溜まることに気づいたのが、1年ほどたった頃。「少なくとも3年」という数字は、その引き算から来ているのだろう。 コメント欄では、投稿者本人がいくつか補足している。まず、クモの大きさ。「大きい」ものでもまち針の頭に付いている玉くらい、「小さい」ものはまち針であけた穴くらいで、糸は縫い糸よりずっと細かったそうだ。 投稿者はこれまで、自分の淹れるコーヒーはうまいのだと、人に自慢してきたという(本人いわく「お恥ずかしい話」)。この日は、さすがに淹れるのをやめた。味については、「この吐き気がいつかおさまったら、あらためて報告する」と書いている。 今後については、「注ぎ口はときどき覗くようにすると思う」とのこと。ただし、掃除という家事をひとつ増やすつもりはないそうだ。乾いた焙煎豆しか通らない歯車が2つばかりあるだけなのだから、なんとかなる、というのが本人の言い分である。なお、買い替えるという話は出ておらず、巣をどう片づけたのか、クモがどんな種類だったのかも、書かれていない。 海外の反応 1. やらかし名無しさん で、肝心のコーヒーは、絹のようになめらかな口当たりだった? なにしろ、糸でこしてあったわけだし。 2. やらかし名無しさん(>>1への返信) 投稿者です。お恥ずかしい話、うちのコーヒーはうまいんだと、これまで人に自慢してきたくちでね……。言うまでもない理由で、今日は淹れるのをやめておいた。この吐き気がいつかおさまったら、あらためて報告するよ。 3. やらかし名無しさん(>>2への返信) この先グラインダーを買い替えて、同じ豆を挽いたとする。なのに、なぜか味が決まらない。何かが足りない気がする……。そうなる未来が見えるよ。隠し味は、ずっとクモだったわけだから。 4. やらかし名無しさん 「人は寝ているあいだに、年に3匹のクモを飲み込んでいる」という統計をネタにした冗談があるでしょ。本当は、ふつうの人は1匹も食べていない。年に何千匹も食べる「クモのデイブ」という1人が平均を押し上げているだけで、彼は外れ値として無視すべきだ、というやつ。あれ、あなたのことだよ。あなたがクモのデイブで、ほかのみんなのデータを歪めていたんだ。 ※ 「人は寝ているあいだにクモを飲み込んでいる」という話は英語圏で広く知られているが、裏付けのない俗説とされる。上のコメントは、その俗説をもとにした定番の冗談を踏まえたもの。 5. やらかし名無しさん(>>4への返信) 人類の「1人あたりの年間クモ摂取量」を、たった1人で押し上げていた張本人が、ついに見つかったのか。何年も待ったかいがあった。 6. やらかし名無しさん クモたちのあいだでは、あなたは間違いなく神の座に就いていたと思う。あなたのコーヒーを通すために、糸で漏斗まで築いていたのが、何よりの証拠だよ。 7. やらかし名無しさん(>>6への返信) クモ側の言い伝えは、きっとこうだ。「日ごと天が轟き、香り高き黒い雨が降りそそぐ。ご先祖さまは雨の通り道に筒を築き、われらはその壁の中で栄えた」。そして今日が、彼らの神話でいう世界の終わりの日。 8. やらかし名無しさん 文章が立派すぎて、結局何が起きたのか、いまひとつ分からなかった。誰か、普通の言葉で説明してくれない? 9. やらかし名無しさん(>>8への返信) 投稿者です。普通の事態には、普通の言葉がふさわしい。しかし本日起きたのは、南米生まれの、ひときわコクが深く力強い煎じ飲料に対して、クモ族がこれまでひた隠しにしてきた執着をめぐる、口にするのもおぞましい怪現象なのである。お役に立てば幸いです! 10. やらかし名無しさん つまり、コーヒーグラインダーを一度も洗ったことがない、という話だよね? さすがにそれは、ちょっとどうかと思う。 11. やらかし名無しさん(>>10への返信) 投稿者です。ついでに言うと、床のモップがけも、何かをこぼしたときにしかしない人間だよ。責める材料が足りなければ、これも使ってくれ。 12. やらかし名無しさん なんてこと!! 自分も似たようなグラインダーを2年ほど使っていたけど、一度も洗わなかった。洗う必要はないと思っていたし、今でもそう思っているよ。あなたが遭ったのは運の悪い、めったにない事故(であってほしい)。本当に気の毒。自分だったら、何週間も思い出すたびに吐いていると思う。 13. やらかし名無しさん(>>12への返信) 投稿者です。映画でおなじみの悪役ジョーカーが、唯一の理解者ハーレイ・クインに出会ったときも、きっとこんな気持ちだったんだろうな。ありがとう! これからは注ぎ口をときどき覗くようにすると思う。でも、世間に笑われようと、家事をもうひとつ増やすつもりはないよ。乾いた焙煎豆しか相手にしない歯車が、2つばかりあるだけなんだから。なんとかなるさ! 14. やらかし名無しさん ジャコウネコのフンから採った豆で作る高級コーヒー(インドネシアのコピ・ルアク)なら聞いたことがあるけど、クモ経由は初耳だ。新しい高級市場を切り開いたんじゃないかな。コーヒー好きはいつも「もっと細かく挽け」と言うでしょ。挽いた粉を、紡ぎたてのクモの糸でこす。これ以上ぜいたくな仕上げは、ちょっと思いつかない。 15. やらかし名無しさん まったく同じ経験がある。うちの場合はトースターで、住みついていたのはゴキブリの一族だった。あのトースターは、そのままゴミ箱行きになったよ。 16. やらかし名無しさん(>>15への返信) 投稿者です。ああ……。「コーヒーグラインダーは掃除しろ!」と言っていた人の気持ちが、いま分かった。 17. やらかし名無しさん 大学時代、カプセル式のコーヒーメーカーを使っていた。ある日、その中にゴキブリが1匹いるのを見つけてね。たいていの生き物とは共存できるのに、あれだけはどうしても無理なんだ。お金はないし、機械はもらい物だから、簡単には買い替えられない。掃除の方法を山ほど調べたら、あるブログにこう書いてあった。「機械は隅々まで漂白できます。でも、あなたの脳は漂白できません」。そのとおりだった。どれだけ分解して、どれだけきれいにしても、あそこに住まれていたことは一生忘れられないんだ。 18. やらかし名無しさん(>>17への返信) 投稿者さんの「知らないままでいたほうが幸せだったのか」への答えが、ここに出ている気がする。機械は洗えても、記憶は洗えない。世の中には、開けないほうがいいフタがあるんだよ。 19. やらかし名無しさん ひとつだけ教えてほしい。クモはどのくらいの大きさだったの? 答えによっては、今夜眠れるかどうかが変わってくる。 20. やらかし名無しさん(>>19への返信) 投稿者です。「大きい」ほうでも、まち針の頭に付いている玉くらい。「小さい」ほうは、まち針であけた穴くらいだった。たとえを裁縫道具でそろえておくと、糸は縫い糸よりずっと細かったよ。 21. やらかし名無しさん クモが大の苦手で、しかも想像力だけは人一倍ある自分は、読みながら本気で気分が悪くなった。頭に浮かんだ光景も怖いけれど、同じことがわが家でも起きているかもしれない、というのがいちばん怖い。それでも最後まで読まされたのは、文章がうますぎるせいだ。語り口は10点満点。ただし、コーヒーにクモで1000点減点。 22. やらかし名無しさん 題名は「コーヒーグラインダーを覗いてしまった」だけど、本当の失敗は「覗くまでに4年かかった」ほうじゃないかな。とはいえ、人のことは言えない。説明書どおりに手入れしている家電なんて、うちには1台もないからね。今夜は懐中電灯を持って、台所をひと回りしてくるよ。 まとめ 約4年間、毎日使ってきたコーヒーグラインダーの注ぎ口に、クモが何世代にもわたって巣を張っていた、という告白でした。コメント欄には、神話めいた語り口に乗っかる冗談や、家電の中を覗くのが怖くなったという声、グラインダーの掃除はどこまで必要かという意見が並びました。投稿者は、注ぎ口だけはときどき覗くつもりだそうです。知らないままでいたほうが幸せだったのか。その答えは、まだ出ていないようです。 元ソース: コーヒーグラインダーを覗いてしまった話 The post 「ちっちゃなクモさんが、夜のあいだに入り込んじゃったのかな?」約4年毎日使ったコーヒーグラインダーを懐中電灯で覗いた人が見た物とは? appeared first on やっちまった!海外のやらかし告白.…