2024年の夏、パリでつましく暮らしていた91歳の男性が亡くなった。独身で子どももいなかった彼が財産の遺し先に選んだのは、ノルマンディー地方にある人口およそ1,800人の小さな村。本人は一度も足を運んだことがなかったとされ、見つかった接点はひとつだけ——村の名前が、自分の名字と同じ「ティベルヴィル」だった。 ※注:遺贈の額は報道によって「約1,000万ユーロ」から「1,100万ユーロ超」まで幅がある。1,000万ユーロは日本円でおよそ18億円(1ユーロ=180円弱で換算)。 今日の知ってた? 💶 贈り主はロジェ・ティベルヴィルさん。パリで暮らした元気象技師で、2024年8月に91歳で亡くなった。独身で子どもはいなかった 🏡 遺し先は、フランス・ノルマンディー地方ウール県の村ティベルヴィル(人口およそ1,800人)。金額は1,000万ユーロあまりと報じられた 🔗 本人が村を訪れたことは一度もなかったとされる。村長によれば、理由は名前が同じだったこと 📊 金額は、村の年間予算のおよそ5倍にあたる ⚱️ 本人の遺灰は村の墓地に納められ、名前を刻んだ碑が建てられることになった 背景:ティベルヴィル村と「同じ名前」の男性とは ティベルヴィル(Thiberville)は、フランス北西部ノルマンディー地方のウール県にある自治体。人口は報道によって1,770人台から1,850人まで幅があるが、おおむね1,800人ほどの小さな村だ。知らせを受けた当時の村長は、30年近くその職にあったギー・パリ氏だ。 話の始まりは2024年8月。村長によると、役場に1本の電話がかかってきた。相手は公証人(フランスで遺言や相続の手続きを担う法律の専門職)で、同じ月の23日に亡くなったロジェ・ティベルヴィルさんという男性が、村に財産を遺したという知らせだった。 ロジェさんは1932年、パリの西およそ50キロにあるマント=ラ=ジョリーで、ワイン生産者の家に生まれたと報じられている。気象の技術者として働き、パリ15区にアパートを4戸持っていた。財産は、両親と、同じく跡継ぎのないまま亡くなった姉妹(姉か妹かは報じられていない)から受け継いだものだという。フランスの公共ラジオの地方局は、パリでとても質素に暮らしていた人だったと伝えている。 遺贈の額は、報道によって「約1,000万ユーロ」「1,000万ユーロあまり」「1,100万ユーロ超」と幅がある。いずれにしても村の年間予算(約200万ユーロ)のおよそ5倍にあたり、村長は「桁外れの金額で、想像を超えている」と話した。同じラジオ局は、遺産の一部は本人の会計士に遺され、残りが村に贈られたとも伝えている。このニュースは2024年12月にフランスで報じられ、翌年1月には英語圏のメディアにも広がった。 もう少し詳しく 本当に一度も来たことがなかったのか。フランスの報道は、ロジェさんがこの村に「一度も足を踏み入れたことがなかった」、あるいは「なかったとみられる」と伝えている。なぜこの村だったのかについて、村長の説明はごく短い。「ロジェ・ティベルヴィルという名前だったから、ティベルヴィルという自治体に財産を遺したいと望んだのです」。各国の報道も、名前のほかに村とのつながりは見当たらないとしている。ロジェさんの名字の由来がこの村にあるのかどうかは、報道では触れられていない。 本人が望んだこと。報道によれば、ロジェさんが望んだのは、自分の遺灰を村の墓地に納めてもらうことだった。村は墓地に本人の名前を刻んだ碑を建てることにし、村長は「ティベルヴィルさんは遺贈の見返りを何も求めなかった。私たちは少なくとも、それくらいのことはしなければ」と述べた。 お金の使い道。住民に配られるのではなく、村の財産になる。村長は「まだ何に使うかは決めていない。全部を使ってしまうつもりはない。これまでの村の予算と同じように、慎重に、責任を持って管理していく」と話し、フランスのテレビには「この先かなりの年数、増税をしなくて済むと思う」とも語った。まず小学校の建設で借りた約40万ユーロを返済する方針で、そのうえで候補に挙がったのは、遊び場のある公園、日よけを兼ねた太陽光パネル付きのペタンク(金属の球を投げて競うフランスの球技)場、小学校の改修、人工芝のサッカー場(見積もりは約120万ユーロ)、新しい消防署、行政手続きの総合窓口「フランス・セルヴィス」の開設など。自立した生活が難しくなった高齢者向けの住まいを建てる計画も報じられた。 税金はかからないのか。複数の報道によると、自治体のような公的な団体が遺贈を受ける場合、相続税はかからない。村は受け取った額をそのまま使えることになる。 海外の反応 1. 海外の名無しさん 「自分と同じ名前の村だったから」。理由としてはそれで十分だろ。跡継ぎがいないなら、どこに遺そうが本人の自由なんだし。 2. 海外の名無しさん(>>1への返信) 名字が本当にティベルヴィルなら、何代も前の先祖がその村に住んでいた可能性はかなり高いと思うよ。住んでいた土地の名前がそのまま名字になるのは珍しくないから。 3. 海外の名無しさん ジェームズ・スミソンの話によく似てる。ワシントンD.C.の国立博物館群を運営するスミソニアン協会の、名前のもとになった人だ。財産を継ぐはずだった甥が跡継ぎのないまま亡くなったので、遺言に従って、財産はワシントンに知識のための機関をつくるのに使われた。スミソンはイギリス人で、アメリカの土を踏んだことは一度もなかった。正確に言うと「生きているうちは」だけどね。イタリアにあった墓地が採石場の拡張で取り壊されることになって、遺骨は死後70年以上たってからアメリカに移されたんだ。 ※ ジェームズ・スミソン(1765年頃〜1829年)は英国の科学者。1826年に書いた遺言で、甥が子を残さずに亡くなった場合は財産をアメリカ合衆国に贈り、ワシントンに「知識の増進と普及のための機関」をつくるよう定めた。甥は1835年に亡くなり、スミソニアン協会は1846年に設立された。遺骨がイタリアのジェノヴァからワシントンに移されたのは1904年。なぜ訪れたこともないアメリカを選んだのか、理由ははっきり分かっていない。 4. 海外の名無しさん(>>3への返信) スミソニアンって「スミソンさん」という人の名前から来てたのか。今まで一度も考えたことがなかった。 5. 海外の名無しさん(>>3への返信) 当時のアメリカは伸び盛りの新しい国だった。ヨーロッパで同じことをするより寄付が生きるし、自分の名前も長く残る。そう考えたんじゃないかと個人的には思ってる。本人は理由を書き残していないらしいけど。 6. 海外の名無しさん(>>5への返信) だとしたら狙いどおりだな。スミソニアンは今や世界でも指折りの有名な博物館群なんだから、名前を残すという点では大成功だよ。 7. 海外の名無しさん 1,000万ユーロを住民1,800人で割ってみた。1人あたり、およそ5,555ユーロになる計算だ。 8. 海外の名無しさん(>>7への返信) それはなかなかの額だな。パリのお金持ちが亡くなったあとに洒落でやったことのおかげで、ある日いきなり郵便で5,555ユーロが届くんだぞ。想像してみてよ。 9. 海外の名無しさん(>>7への返信) 実際のところはどうなったんだろう。住民みんなで分けたの? それとも村の金庫に入ったの? 10. 海外の名無しさん(>>9への返信) 個人に配られるわけじゃなさそうだよ。村長は、人工芝のサッカー場、新しい消防署、公園の改修、行政サービスの窓口の開設といった計画を進める助けになる、と話してる。 11. 海外の名無しさん 手続きは公証人を通していて、この遺贈に税金はかからないそうだ。つまり1,000万ユーロがまるごと村のものになる。 12. 海外の名無しさん パリの15区にアパートを4戸も持っていたのに、本人はとても質素に暮らしていたらしい。そういう人が最後に選んだ遺し先が「同じ名前の村」だというのが、なんだかいい。 13. 海外の名無しさん(>>2への返信) うちの父方の名字は、イングランドにあった今はもう無い村の名前から来ている、というのが有力な説。母方の名字は、スタッフォードシャーのブロアという村の名前そのままだよ。 14. 海外の名無しさん(>>13への返信) ほう、なるほど、実に興味深い。ところで、子どもの頃に最初に飼ったペットの名前は何だった? いや、深い意味はないんだけどね。 15. 海外の名無しさん(>>14への返信) サムだよ。いい犬だった。子どもの頃に住んでいたコットンウッド通り5490番地の家で、よく一緒に遊んだなあ。初めてコンサートに行った日(ミリ・ヴァニリだった)に死んでしまって、幼なじみのフレディ・ハインリヒが一緒に埋めてくれたんだ。 16. 海外の名無しさん(>>15への返信) たしか、自分の社会保障番号を子守唄がわりに繰り返し歌って、寝かしつけてあげてたんだよね? ※注:母親の旧姓、最初に飼ったペットの名前、育った家の住所などは、パスワードを忘れたときの本人確認に使う「秘密の質問」の定番。それを聞き出そうとする、ネットでおなじみの冗談。社会保障番号はアメリカで一人ひとりに割り振られる番号。 17. 海外の名無しさん 名字って面白いよね。うちの名字は、先祖が暮らしていた兵士用の小さな家の名前がそのまま残ったもの。その先祖は200年前に亡くなってるのに、名前だけは8世代たった今も続いてる。 18. 海外の名無しさん うちの父方はイングランドからアメリカに渡った家系で、もとをたどるとノルマン系だと言われてる。ノルマンディーに母音が1字違うだけの村があって、名字はそこから来たというのが、調べた人たちの見立て。証明はできないけどね。人口は9,000人くらい。残念ながら遺せるような財産はないけど、いつか一度は行ってみたい。 19. 海外の名無しさん(>>18への返信) それ、トマス・ハーディの小説『テス』(『ダーバヴィル家のテス』)の出だしにそっくりだ。貧しい一家が「お宅の名字は、ノルマン系の名家ダーバヴィル家につながる」と聞かされるところから話が動きだすんだよ。 20. 海外の名無しさん ちょっと役所に行ってくる。念のため、名字を正式に「ベゾス」に変えておこうと思って。同じ名字のよしみで何か回ってくるかもしれないし。 21. 海外の名無しさん 日本の福井県にある小浜(オバマ)市のみなさんも、きっと固唾をのんで成り行きを見守ってる。 ※注:福井県小浜市。2008年のアメリカ大統領選の頃、名前の読みが同じという縁でオバマ氏を応援し、話題になった。 22. 海外の名無しさん(>>21への返信) その手があったか。人の名前に町のほうを合わせればいいんだな。よし、「ジェフ・ベゾス記念タウン」を作るしかない。 23. 海外の名無しさん 知らせを受けた村長の名前が「パリ」さんだというのも出来すぎてる。パリで暮らしたティベルヴィルさんの遺産を、ティベルヴィルのパリ村長が受け取ったわけだ。 24. 海外の名無しさん 本人の望みは、遺灰を村の墓地に納めてもらうことだったそうだ。一度も訪れなかった、自分と同じ名前の村で眠ることになる。静かでいい話だと思う。 25. 海外の名無しさん 人間、たいした理由がなくても何かをやるものだよ。両者のあいだに深いつながりなんて別になくていい。面白そうだからやった、それだけのことかもしれない。 まとめ 跡継ぎのいなかった元気象技師が、訪れたこともないとされる「同じ名前の村」に、村の年間予算の5倍にあたる財産を遺した。コメント欄では「理由としては十分」という声を筆頭に、名字と地名のつながりを語る人、スミソニアンを生んだスミソンの遺言を思い出す人、名字を変えると言いだす人まで現れた。なぜこの村だったのか、報道からは名前のこと以外は分からない。ただ、遺灰は自分と同じ名前の村に納められることになった。 元ソース: 跡継ぎのいない男性が、一度も訪れたことがないとみられる人口1,800人のノルマンディーの村に1,000万ユーロあまりを遺した。見つかった唯一の接点は、村の名前が彼の名字と同じ「ティベルヴィル」だったこと The post 「ロジェ・ティベルヴィルという名前だったから」パリの91歳が、一度も訪れたことがないとされる同名の村に1,000万ユーロあまりを遺した話 appeared first on みんな知ってた?【海外の反応】.…