
20 名前:おさかなくわえた名無しさん[sage] 投稿日:2006/08/12(土) 15:42:56 ID:hubw9qGb友人の結婚式の日、二次会会場が結構離れていたんで着替えるのは諦めて女友達を助手席に乗せて車を走らせていた。もう暗くなっていたのでライトを着けていたのだが、前方の路面すれすれの所に、キラッキラッと小さな光が四つ見えた。「ん?」と二人で首を傾げてスピードを落として近付くと車にはねられたのか、路上に横たわる猫とその猫の首をくわえ、必死に車道から外へ出そうとしている猫がいた。光っていたのは、その二匹の猫の目。猫好きの友人が、「うわぁぁ、停めて停めて!」と叫ぶ。幸い通りの少ない道だったが、友人が何をしたいのかわかった俺は後続車に突っ込まれたら大変だと思い、道の真ん中に停車。俺達が降りていくと、猫は一瞬逃げようとしたがそれでも横たわった猫のそばを離れなかった。友人は猫のそばにしゃがみこみ、「ダメだ、死んでる」と言うとややグロになっている猫を抱き上げようとした。けれど、結婚式のドレス姿そのままの女の子にまさかそんな事をさせるわけにもいかないと思い、「待て待て」と俺が抱き上げようとしたが、さすがにちょっとためらっていると、後続車が来てしまった。その車はDQN車特有のクラクションを「フォンフォ~ン!!」と鳴らしたが、対向車がいなかったので、反対車線にはみ出して追い抜いて行った。と、思ったらDQN車は少し先に止まり、中から茶髪の兄ちゃんが。21 名前:おさかなくわえた名無しさん[sage] 投稿日:2006/08/12(土) 15:44:11 ID:hubw9qGb「あああ、ヤベ」と思ってたら兄ちゃんが「猫?死んでるの?」「この子がくわえて動かそうとしてて」と、涙声で友人。「おたくら、結婚式帰り?」「これから二次会なんです」「服汚れちゃうから。俺がやるよ」兄ちゃんはためらいもせずに猫を抱えた。「本当は埋めてやれればいいんだけどな」「でもこの子がいるから、埋めちゃったら可哀想な気も・・・」「飼い猫かな?」「飼い主、探してるんじゃないかな」そんな会話の末、結局歩道の街路樹の脇に下ろしてやる事に。「有難うございました」「じゃぁな~」と挨拶を交わして俺達は別れたが、生きている猫は、死んだ猫のそばにずっといたんだと思う。祝いの席だったし、途中でそんな事があったという話は誰にもしなかったが、あの兄ちゃんもきっと俺達と同じような、なんとなくやるせない気持ちをあの後引きずっていたんではないかなぁ。別れ際に彼が言った、「猫だって、仲間の事を気にするのに・・・」という言葉が忘れられない。猫のいる人生(新潮新書)峯田淳新潮社2026-08-19…