前回まとめて出した応募には、一社からも返事が来ていない。気を取り直して別の職種に応募しようと、IT技術者の投稿者は履歴書の冒頭にある自己紹介欄を開いた。目に飛び込んできたのは、その締めの一文。「プライベートではスキンケア愛好家」。メイク系インフルエンサー向けのテンプレートをもとに作った履歴書から、見本の文章をたった1行だけ消し忘れていたのだ。 ※注:英語圏の履歴書(レジュメ)は、決まった書式の用紙に書く日本の履歴書と違い、自分でレイアウトを組んで作るのが一般的。冒頭には「自分はどんな人材か」を2〜3行で売り込む要約文を置くことが多く、採用担当者が真っ先に目を通す場所になる。見た目の整った見本文入りのテンプレートを使って作る人も多い。 何をやらかした? 📌 IT職の履歴書を、メイク系インフルエンサー向けのテンプレートで作成。見本文を自分の経歴に書き換えたつもりが、冒頭の自己紹介の最後に「プライベートではスキンケア愛好家」が残ったままだった。気づいたのは3週間近くたってから。 事の発端 前回の応募は、一社も返事なし 投稿者はIT業界の技術者で、ネット通販サイトの開発や、製品の品質管理のまとめ役を経験してきた。いまは仕事探しの真っ最中だ。前回は何社かにまとめて応募したものの、一社からも返事が来ていない。気にならないと言えば嘘になる。ただ、投稿者には軽い強迫性障害(心配ごとが頭から離れにくくなる症状)があり、済んだ応募のことをくよくよ考え始めるのは避けたかった。とにかく前に進もうと、今度は前回とは違う職種に応募することにした。 気に入ったテンプレートで作った履歴書 応募先に合わせて、提出前に冒頭の自己紹介欄だけ書き直すつもりだった。この履歴書は、ワード(Microsoft Word)のテンプレートをもとに作ったもの。デザインが気に入って選んだそのテンプレートは、もともとメイク系インフルエンサー向けに作られた見本だった。 やらかしの一部始終 自己紹介の締めくくりに 開いた履歴書のいちばん上、採用担当者が最初に読む自己紹介欄には、こう書かれていた。 ネット通販サイトの開発と品質管理の統括に経験を持つIT技術者。プロジェクトを率い、質の高いIT製品を届けてきた確かな実績あり。プライベートではスキンケア愛好家。 前の2文は、見本を消して自分で書いた経歴だ。ところが最後の1文だけは、メイク系インフルエンサーの見本がそのまま残っていた。一文が紛れ込んだのは9月7日。投稿者が気づいたのは、それから3週間近くたった、この投稿を書くわずか2分前だった。 頭をよぎる最悪の想像 ほかの部分は、どこを読んでもきっちりした仕事用の文面だ。だからこそ、最後の一文だけが浮きまくっている。投稿者の頭に浮かんだのは、映画『羊たちの沈黙』に出てくる、人間の皮膚を狙う連続殺人犯「バッファロー・ビル」だった。「これじゃ、あなたの肌目当てに殺しに来る人みたいじゃないか」。さらには、もっと気まずい方向に誤解されるのでは……と、想像はどんどん悪いほうへ転がっていった。 その後 頭の冷静な部分では、投稿者も分かっている。軽い強迫性障害のせいで気に病んでいるだけで、読んだ相手の99.9999%は「ただの書き間違いだな」と受け流しているはずだ。人生全体から見れば、大したやらかしではないことも承知している。それでも、いまの就職事情にも景気にも世の中の空気にも、もうすっかり疲れ切っているところに、この小さなつまずき。「もう全部やめてしまえ」と全力で背中を押されている気分だという。 この話を身近な人に打ち明けるなんて考えられない、と投稿者は言う。一度知られたら、あと40年くらいして死ぬまでに、少なくとももう1回は蒸し返されることになる。自分の頭の中で思い返すだけでも耐えられないのに、だ。だから見ず知らずの他人に吐き出して、自分の間抜けさにひとしきり浸ったら、きれいさっぱり忘れたい。机に頭を打ちつける代わりに、この投稿を書いている——。 最後には、こんな追伸が添えられていた。「消し忘れがなくても、この自己紹介文は大嫌いです。自分を売り込むのも、要約文を書くのも大嫌い。好きなだけ批判してもらって構いませんが、ひどい文章だってことはお互い分かってますよね」。 海外の反応 1. やらかし名無しさん 仕事柄しょっちゅう人を採用してるけど、これを見たら「自己紹介に、自分の人となりを少し入れてるんだな」と受け取るよ。読んでちょっとニヤッとするくらい。これで不採用にはしない。 2. やらかし名無しさん(>>1への返信) ほんとそれ。仕事用のプロフィールに「犬のママです」って書いてる人、けっこういるじゃん。あれと同じ枠でしょ。 3. やらかし名無しさん(>>2への返信) だね。「ガールボス(やり手女子)」みたいな痛い肩書きを名乗ってるとか、大学時代に入ってた社交クラブの名前を書いてるとかじゃなければ、大したことないよ。 4. やらかし名無しさん(>>3への返信) じゃあ逆に、「入っていなかった社交クラブ」をずらっと一覧にして書くのはアリ? 意外と面接で話が弾むかもしれない。 ※ 社交クラブ:アメリカの大学にある、男女別の学生の社交団体。男子の団体はフラタニティ、女子の団体はソロリティと呼ばれる。 5. やらかし名無しさん 今のうちに、朝・昼・夜それぞれのスキンケアのルーティン動画をYouTubeで研究しておこう。面接で聞かれたときに満塁ホームランを打てるように!……というのは冗談。これくらいならかわいいもんだよ。やりがいがあって給料もいい仕事が見つかりますように。 6. やらかし名無しさん こうなったら、面接には肌ツヤッツヤで乗り込むしかないな。部屋に入った瞬間に「あ、本物だ」と思わせよう。 7. やらかし名無しさん(>>6への返信) いっそ全力で乗っかろう。ブロンザー(日焼けしたような健康的な顔色に見せるパウダー)で顔をこんがり輝かせて、歯も真っ白にして面接へ。 8. やらかし名無しさん この台詞を丸暗記しておくといい。 「朝、顔が少しむくんでいたら、腹筋をしながら氷のうを当てる。いまでは1000回できる。氷のうを外したら、毛穴の奥まで落とす洗顔ローション。シャワーでは水で泡立つジェル洗顔料、体にはハニーアーモンドのスクラブ、顔には角質を落とすジェルスクラブ。それからハーブミントのパックを10分……(以下、延々と続く)」 履歴書のあの一文を突っ込まれたら、「『アメリカン・サイコ』の大ファンなんです」と言えばいい。試す価値はあるぞ(笑) ※『アメリカン・サイコ』:2000年公開のアメリカ映画。主人公はニューヨークのエリート金融マンで、裏では殺人を重ねている男。朝の身支度の場面で、自分のスキンケアの手順を延々と語る独白がよく知られている。 9. やらかし名無しさん(>>8への返信) あの映画の有名な独白をもじるなら、「IT技術者という“概念”は存在する。ある種の抽象的な何かが……」ってところか。もう完全にあの主人公の側の人だ。 10. やらかし名無しさん(>>9への返信) 投稿者の頭に浮かんだのも『羊たちの沈黙』の殺人犯、コメ欄が持ち出してきたのも『アメリカン・サイコ』の殺人鬼。「スキンケア」の一言に、なんでここまで物騒な連想がくっついてるんだ。 11. やらかし名無しさん 最高に面白い。自分が面接官だったら100%この件を聞くね。今のうちに、それっぽいエピソードを用意しておいたほうがいいよ。 12. やらかし名無しさん(>>11への返信) まじめな話、小さい会社で面接を担当してたことがあるけど、ほかの条件がまったく同じ2人なら、この話を聞いてみたくて投稿者のほうを選ぶと思う。確認不足には違いないけど、面接でこの件に触れれば「ミスをしたときにどう立て直す人か」も見られるしね。 13. やらかし名無しさん 面接で聞かれたら、真顔で「履歴書を最後までちゃんと読んでくださる会社かどうか、確かめるために入れてあるんです」って返せばいい。読んだ側は何も言い返せない。 14. やらかし名無しさん あえて少し厳しいことを言うと、品質管理のまとめ役を売りにしている人の書類に確認漏れ、っていうのは突っ込まれやすいポイントではあると思う。笑ってごまかすより、「それ以来、提出前の見直し手順を変えました」まで言えたら完璧。 15. やらかし名無しさん(>>14への返信) それはそう。でも逆に言えば、品質管理の人間が自分の見落としを笑い話にして、再発防止まで語れたら、それこそ腕の見せどころでしょ。ミスなんてしたことないって顔してる人のほうが、正直ちょっと怖い。 16. やらかし名無しさん 出版業界で、採用のために履歴書を片っ端から読んでいた者です。見ていたのは主に、募集している仕事に合った職歴があるか、手を抜かずに体裁をそろえてつづりも正しく書けているか、文章がまともか、というところ。この一文を見ても、趣味とか、ちょっとした遊び心で個性を出そうとしたのかな、と思うだけ。ほかがしっかりしていれば、それだけで落とすことはない。そもそも聞かれることもまずないと思うし、聞かれたら「仕事の前後にスキンケアするのが好きなんです」くらいで十分。返事が来なかったとしても、原因がこれだとはとても思えないよ。 17. やらかし名無しさん 大丈夫。今の就職市場はひどすぎて、その履歴書はそもそも人間の目に触れてすらいないかもしれない。大きい会社だと、応募書類をまずソフトで自動的にふるい分けるのも珍しくないし。 18. やらかし名無しさん(>>17への返信) それはそれで悲しい慰め方だな……。でも実際、一社も返事が来ないのは今どき珍しくないよ。自分も去年は何十社も出して、返事をくれたのは数社だけだった。投稿者のせいじゃない。 19. やらかし名無しさん 単語のつづり間違いと違って、一文まるごと、誰かがわざわざ書こうと思って入れた文章なんだよね。だから読む側は「目立とうとして、趣味をさりげなく入れたのかな」と受け取るだけだと思う。 20. やらかし名無しさん(>>19への返信) むしろ覚えてもらえるでしょ。似たような履歴書を何十通も読んだあとで「ああ、スキンケアの人ね」って記憶に残るのは、無難な書類よりよっぽど強い。 21. やらかし名無しさん 強迫性障害のせいで、最悪のシナリオばかり浮かんでるんだと思う。でも他人から見れば「仕事かプライベートで、スキンケアに多少詳しい人なのかな」くらいの話。聞かれたら「本業とは別に興味のある分野で」と答えて、「でも本気で打ち込みたいのは、いま応募しているこの仕事です」と続ければいい。 22. やらかし名無しさん おかげで昔の自分がちょっと救われたよ。「細部まで気を配れます(detail oriented)」と書いたつもりが、肝心の「細部(detail)」から1文字抜けて「detai oriented」になった履歴書で、応募しまくってた時期があるんだ。 まとめ IT技術者の履歴書に、メイク系テンプレートの見本文「プライベートではスキンケア愛好家」が1行だけ残っていた。本人は『羊たちの沈黙』の殺人犯まで思い浮かべて頭を抱えたが、採用経験者の声はおおむね「気にしない」「むしろ面接で聞いてみたい」。コメント欄ではなぜか『アメリカン・サイコ』の台詞で面接対策まで始まった。見直しは大事、でも1行で自分を責めすぎないで——それが見知らぬ人たちの総意だったようだ。 元ソース: 履歴書のテンプレートから、たった1行を消し忘れてやらかした The post 「プライベートではスキンケア愛好家」IT技術者の履歴書に、メイク系インフルエンサーの見本文が1行だけ残っていた話 appeared first on やっちまった!海外のやらかし告白.…