
1: 煮卵 ★ kNSDW28V9 2026-09-21 10:19:33 和歌山県白浜町のレジャー施設「アドベンチャーワールド」から目玉のジャイアントパンダ4頭が一斉に返還されて1年余り――。 地元・白浜町では、観光客の大幅な減少が予想されたが、8月末に公表された県の昨年の「観光客動態調査」の数字を見ると、同町や、白浜温泉などの観光地を訪れた客の総数はむしろ一昨年の数を上回り、返還後の月もほぼ同数を維持していることがわかる。 町の調査によれば、今年に入っても観光客数は依然好調のままという。 ◼潜在的な観光バリューが 大江町長は述べる。 「数字は嘘をつきません。“パンダが帰ったら白浜がダメになる”と言われましたが、観光客動態調査が出て、そんなことはないということがはっきりとわかったと思います」 なぜ大きな影響を受けなかったのか。 「もともと白浜には潜在的な観光バリューがありました。その上で昨年、パンダが返還されることがあれだけ報じられ、町が注目を浴びることに。それが功を奏したのかもしれません。 テレビでパンダのことが取り上げられれば、“観光の危機”として当然、町の観光地も映像に流れる。見た方の中には、この機会に行ってみようかな、と思った方も少なくないのでは。露出度が高まったおかげで、町の観光価値も高まったと思います」 町長自身も殺到する取材を断らなかったという。 「批判的に取り上げるものももちろんありましたが、そこは全部受け入れました。『白浜』の文字が活字になったり、映像で流れたりすれば良いと思って。おかげさまで私も白良浜に行くと、2人に1人から“町長ですか?”と聞かれるようになりました」 ◼11~2月は閑散期? 観光関係者の意識も変化していったという。 「アドベンチャーワールドも変わりました。これまでポスターや動画はパンダばかりが使われていましたが、今は例えばペンギンの赤ちゃんなど、他の動物に代わっています。あそこには120種類、1600頭の動物がいます。魅力的なものがたくさんいますからね。パンダショックに負けず、しっかりと努力をされていると思います」 (略) ◼中国サイドからの接触は 前編で述べたように、大江町長は県会議員、国会議員時代を通じての「親台湾派」であり、一昨年、町長に当選した後も、中国・成都市内の行政区から受けた友好都市提携の申し出を断り、南紀白浜空港に台湾からのチャーター便就航を進めるなどの施策を取ってきた。 真相は不明だが、そのことが返還の原因と見る報道もあった。それゆえ、返還当初は厳しい批判を浴びたという。 「町に抗議電話がよく来ましてね。“町長が台湾と仲良くやっているのが原因だ”“台湾、台湾と言いすぎだ”と。しかし、個人の政治スタンスでパンダを貸す貸さないが決まるほど、私は大物ではないんですが……。 “何で友好都市の提携を結ばなかったのか”などとも言われましたし、“そんなに金がないのか”とも。しかし、貸与の契約をしているのは、町ではなく、アドベンチャーワールドです。貸与のための保護資金を支払っているのもアドベン。しかし、それを知らない町民からは、 “寄付でもいいから金を集めろ”とも……」 しかし、その後、今年1月に上野動物園のパンダが契約切れで中国に返還されるなど、パンダの持つ「政治性」が浮き彫りになっていくに連れ、そうした声も収まってきたという。 「皆さん冷静に事実を受け入れてくれるようになった。私も一貫して“パンダに頼らない町”を目指そうと言い続け、徐々にですが、理解していただけるようになってきました。”“ポスト・パンダ”の動きがやっと本格化していったんです」 ちなみに中国サイドからは、その後、接触があるのだろうか。 「いえ(笑)。その後は友好都市の話も一切言ってこなくなりました」 ◼新たな観光モデルを 町長は改めて言う。 「30数年前以前は、白浜にパンダはいなかったんです。それでも観光の町としてやってこられた。もちろんパンダがいなくなったのは痛手ですが、それで町の観光が成り立たなくなるわけがない。 2030年には大阪でIRが始まる予定です。ここからさらに白浜に観光客を呼び込めるはず。 パンダの不在は残念ですが、それまでに、中国に頼るのではなく、自前で足腰をしっかり固めて、新たな町を、新たな観光モデルを作り上げていきたい」 [デイリー新潮] 2026/9/21(月) 8:02 【画像】アドベンチャーワールドで飼育されていたジャイアントパンダ…