
1: 樽悶 ★ IzyYmqmZ9 2026-03-19 04:06:22 大手商社の調査部門で国際情勢に精通し、70カ国以上もの国々を実際に訪れてきた国際情勢アナリスト・武居秀典氏が、このほど『海外経験ゼロの私に、世界と経済をイチから教えてください!』を上梓した。 私たちが日々見聞きする情報は断片的で、この世界のことをわかっているようで、実はわかっていない。今回のアメリカによるイランへの攻撃を、インテリジェンスのプロはどう見ているのか。日本が学ぶべき教訓は何かをお届けする。 ■そもそもなぜ開戦に踏み切ったのか アメリカとイスラエルによる対イラン戦争が泥沼化の様相を強めている。そもそも、なぜ、このタイミングで戦争に踏み切ったのか。 トランプ大統領は「イランという脅威を排除するため」と説明するが、イランがアメリカにとって脅威であることは今に始まった話ではない。差し迫った危険があったという根拠も曖昧で、大統領自身の発言も日々変化している。 大規模攻撃により多数の民間人が犠牲になっていることも踏まえれば、開戦判断とその説明責任は、より厳しく問われるべきだ。 今回の戦争については、背景や経緯、原油価格への影響など多くの分析があるが、ここでは筆者が最も注目する1点に絞りたい。 それは、トランプ政権によるイランの過小評価、そしてインテリジェンス軽視による見通しの甘さである。泥沼化の最大の要因はここにあり、この点は、日本に重要な示唆を与えている。 戦争相手国としてイランを評価する際には、①軍事力、②人口・経済力、③国家体制の3点が重要になる。以下、順番に見ていこう。 ■桁違いの大国イラン ①軍事力 まず、軍事力だ。軍事力評価機関GFPの最新指標によれば、イランの軍事力は世界16位。中東では、トルコ(9位)、イスラエル(15位)に次ぐ規模で、現役兵は約60万人と地域最大級だ。アメリカとの差は大きいものの、注意すべき点が2つある。 ・冷戦終結以降、アメリカが相手にしてきたイラク、アフガニスタン、シリア、そして、最近のベネズエラとは比較にならない軍事大国であること。 ・正規軍戦力の弱点を補うため、ミサイル・無人機・高速艇といった非対称戦能力を主軸として発展させてきたこと。 特に後者は、アメリカ・イスラエルとの対立の中で、長年にわたって戦略的に準備してきたものであり、実際、この戦力は威力を発揮している。 ②人口・経済力(国力) 次に、国力だ。イランの人口は、約9300万人で世界第17位。中東最大である。経済力はアメリカの制裁により世界44位にとどまるが、中東ではサウジアラビア、トルコ、イスラエル、UAEに次ぐ規模だ。 筆者は10年ほど前にテヘランを訪問したことがあるが、想像以上にインフラが整備されており、アメリカには決して負けないという意気込みからか、数値以上の力強さを感じた。こうした国力が戦争準備・遂行能力に直結する。 ③国家体制 最後に国家体制について。 イランは「最高指導者による独裁国家」と見られがちだが、注目すべきは「イスラム国家体制の強固さ」である。 ハメネイ氏の高齢を踏まえれば、後継体制や組織的意思決定の仕組みを準備していたことは想像に難くない。政府・軍指導層に損害が出ても軍事的対抗を続けていることが、その強靱さを示している。また、国民の体制支持も欧米報道されているほど、弱くはない。 アメリカがここまであげたようなイランの実力を把握していないはずがない。 報道によれば、国家情報会議(NIC)は「軍事介入による即時の政権転換は期待できない」と分析し、大統領に報告していたという。 イスラエルからの強い要請があったとも言われるが、いずれにせよ、トランプ大統領は、インテリジェンスを軽視し、軍事攻撃に踏み切ったことになる。 (省略) ■日本の中国過小評価がもたらすもの この教訓を日本にひきつけて考えると、現在の「中国への向き合い方」が浮かび上がる。日本が低迷する一方で中国の国力が増すなか、SNSでは中国を軽視する言説が目立つ。 (省略) 今は、イラン戦争の早期収束を願うばかりだが、この機会を、日本が中国とどう向き合うべきかを考える契機としたい。 政府の判断は私たちの生活に直結し、戦争となればその影響は計り知れない。しかも、冷静なインテリジェンスを軽視した政治判断は世界中で繰り返されている。(以下ソース) 3/18(水) 10:30配信…