1: 樽悶 ★ nbwPeUNM9 2025-12-07 22:29:12 歯磨きを口にくわえるだけで全自動で行う、ロボット歯ブラシ「g.eN(ジェン)」(筆者撮影) 口にくわえてボタンを押すだけで、歯磨きが完了する。そんな製品が、いよいよ一般消費者の手に届こうとしている。 【写真で見る】上下の歯を同時に磨けるブラシ。14個のブラシが一度に稼働する 早稲田大学ロボット研究室発のスタートアップ、Genics(ジェニクス)は2025年12月2日、ロボット歯ブラシ「g.eN(ジェン)」の量産化に向けたクラウドファンディングをKibidangoで開始した。目標金額は500万円、期間は26年1月25日まで。12月31日までの早期支援価格は3万1042円(税込、以下同)で、クラウドファンディング期間中の通常価格は3万6520円となる。 g.eNを見て驚くのは、その形状だ。本体から伸びるアームに14個の小さなブラシが取り付けられ、上下の歯を同時に包み込むような構造になっている。このブラシが歯列に沿って自動で移動・回転し、手を動かすことなく歯垢を除去する。 研究開始から10年。医療機関や介護施設で限定的に使われてきた技術が、量産化によって広く届けられるフェーズに入った。 ■電動歯ブラシとは何が違うのか g.eNと一般的な電動歯ブラシの違いは、「どこを磨くか」を人間が判断する必要がない点にある。 電動歯ブラシはブラシの先端が振動するだけで、どの歯にどう当てるかはユーザー任せだ。一方、g.eNは歯列に沿ってブラシが自動的に移動し、奥歯から前歯、そして再び奥歯へと往復しながら磨いていく。この機構には特許が2件取得されている。 新宿三丁目駅歯科キースブライトクリニックの仮屋聖子院長は、導入当初の印象をこう振り返った。 「最初はこんなので磨けるはずないと思った。歯科衛生士が毎回15分以上かけて指導しても、7割をご自身で磨ける患者さんは少ない。それがこの製品で実現できるのかと」 仮屋院長は顎関節の角度まで計算に入れてブラシを設計している点を「歯科医師として尊敬に値する」と評価した。 ■実際に磨いてみた メディア向け発表会で、24年に限定販売された旧モデルを試用する機会を得た。旧モデルは3Dプリンターで製造された介護向け限定版だが、基本的な機構は新モデルと同じだという。 まず口腔マッサージ用のパーツを試した。口を少し大きめに開けてくわえると、頬の裏側を軽く刺激するような感覚がある。心地よい振動で口の中がほぐされていくのがわかった。マッサージパーツは3種類あり、口が大きく開かない人向けのSS、子どもや口が小さい人向けのS、より強い刺激が欲しい人向けのMから選べる。 次に歯ブラシを試す。上下分離型のブラシで、歯科でレントゲンを撮るときのように上下の歯で噛んで挟む。ブラシは歯の表側と裏側を同時に挟むような構造になっている。最初は噛み込む位置がうまく決まらず手間取った。担当者によれば「3回ほど使うと慣れる」とのことで、習熟の問題なのかもしれない。 電動の感覚は予想よりも柔らかかった。普段から電動歯ブラシを長めに歯に当てて磨いている筆者にとっては、本当に磨けているのか心配になるほどのソフトタッチだった。 ところが、染め出し液で確認すると、ピンク色に染まっていた部分がほとんどきれいになっていた。同社によれば7~8割程度の歯垢が除去できるという。提携する歯科医院の仮屋院長は「歯科医が『よく磨けている』と評価するライン」だと説明した。22年の日本ヘルスケア歯科学会で発表された研究論文でも、歯垢残存率22.4%という結果が報告されている。「口腔衛生状態として良好」とされる基準を満たす数値だ。 (省略) 使い方もシンプルだ。歯磨き粉は使わなくても歯垢を除去できる設計で、もちろん使いたい人は付けても問題ない。本体は1台を家族で共有できる仕組みになっており、アタッチメントを付け替えるだけで使い分けられる。4つのモードを用意したのも、4人家族での使用を想定したためだという。 Genics代表取締役の栄田源氏は、早稲田大学でロボット工学を専攻した。きっかけは高校時代に見た映画「アイアンマン」だったという。 「ロボット技術が人々の生活を手助けしていく姿に興味を持った。日常生活で誰でも使えるものを開発できないかと考えた結果、口腔ケアの分野がテクノロジーによってまだ未開拓だと気づいた」。栄田氏自身も歯磨きは苦手だったということもあり、全自動で歯を磨いてくれるロボット歯ブラシに目をつけた。(以下ソース) 12/2(火) 15:30配信…