873 名前:長文です。スマソ 投稿日:03/02/07 18:52小学校のころ、俺のクラスにユキオ(どんな漢字かは忘れた)っていう奴が転校してきた。小柄でハーフっぽい顔で、どことなくオドオドした感じの奴だった。ユキオには両親がいなくて、爺ちゃん婆ちゃんと一緒に暮らしていた。その辺の事情を、先生は教えてくれなかったが、ユキオ本人から聞いた。俺たちは、最初のうち、ユキオをイジメた。と言っても、金脅し取ったりとかじゃなくて、すれ違いざま背中にエルボーしたり、筆箱をカッターで切ったり、集会の時にオナラをしたと騒ぎ立ててみたり、まぁ他愛もないものだったと思う。それでも、本人には辛かったかもしれんけど。だけど、ユキオは普段オドオドしてるくせに、そんな時は妙に根性を見せて、泣いたりムキになったりすることが無かった。先生に告げ口もしなかった。だから、あまり面白くなくて、そのうち俺らもイジメたりしなくなった。ただ、ユキオは良く学校を休んだ。月にどれくらい休んだのかは忘れたけど、しょっちゅう休んでたっていう印象は残ってる。その頃、うちの学校では、給食のパンを休んだ奴のところへ、同じクラスで近所の奴が届けるっていうルールがあった。ユキオの家にパンを届けるのは俺の役目だった。家はけっこう離れていたけど、同級では一番近かったし、良く通る帰り道の途中だったし。ユキオの家は木造の文化住宅で、いかにも爺ちゃん婆ちゃんが住んでそうな家だった。中に入ったことは無かった。何となく暗い感じで、俺的に嫌な雰囲気の家だった。パンを届ける時は、いつも婆ちゃんにパンを渡してそそくさと帰った。ある日、またユキオが休んだので、俺はパンを届けに行った。…