308本当にあった怖い名無し New! 2007/09/25(火) 02:36:59 ID:v5MlrlQK0ノート荷物を片付けるため、夏の暑い日に久々に母方の祖父の家を訪ねた。といってもその家はすでに誰も住んでおらず、私一人だけでの作業であり、無駄に広い家の為、なかなかはかどらずにいた。中でもこの家で一番広い部屋には大きな仏壇が置いてあった。長い間手入れをしていなかった為、埃まみれであったその仏壇を移動させなければならなかったが、あまりの汚れ具合を見かね、あまり使っていなかった雑巾で周囲を丁寧に拭いていた時だった。仏壇と壁の間には画鋲であるとか、そのほかゴミがいくつか挟まっていたのだが、その暗い隙間から一冊のノートが挟まっているのがみてとれた。重い仏壇を一人で抱えるのは容易ではなかったが、それでもなんとか手を入れる程の隙間をつくり、手を伸ばしてノートを取るのだった。かなりの年月が経っていたことがわかる。土色に変色していたり、シワだらけであったり、どうみても丁寧にあつかったものではない。目を引いたのはところどころ赤黒く変色した部分があることだった。その染みは表紙だけでなく、表紙をめくった中にもある。瞬間、これは長い年月によって変色した血液ではないのか・・・との思いがよぎった。しかもこれは、まるで血液に浸されていたような染みのつき方であった。ひどく不快な気分、あるいは得体の知れない気味の悪さを感じたが、興味もあり、ページをめくっていく。中は墨で書いたと思われる、文字になりきれていない複雑な線と、意味不明な絵が書かれ、そして赤黒い染みによって塗りつぶされていた。…