
1: 七波羅探題 ★ 2026/05/23(土) 20:58:39 ID:0n1SRafy9 PRESIDENT Online5/23 18:00 孤独におびえる日本の老後とは大違い…ポルトガルの高齢者が自ら訪れ、元気になって帰っていく無料の施設充実した老後をすごすには何が必要か。フォトジャーナリストの乾祐綺氏は「ポルトガルでは日本と同じく高齢化を課題としながらも、町の高齢女性が活性化している。彼女たちが才能を開花させる施設がある」という――。PRESIDENT Online(プレジデントオンライン) 充実した老後をすごすには何が必要か。 フォトジャーナリストの乾祐綺氏は「ポルトガルでは日本と同じく高齢化を課題としながらも、町の高齢女性が活性化している。 彼女たちが才能を開花させる施設がある」という――。 ■可能性に満ちあふれた高齢女性たち リスボンの街を歩いていると、そこかしこでおじいちゃん、おばあちゃんに出くわす。 いやもうそれは、リスボンに限らず、ポルトガル全土での話かも。 カフェのテラス席に一人で座るおばあちゃん(しかも赤ワインを飲みながらが多く、その佇まいがかっこいい)、店先で客と談笑するおじいちゃん店主、路面電車に乗って孫のような青年に「あなたの靴、すてきね」と声をかけている上品な老婦人などなど。 そこには、日本でしばしば語られる「高齢化=重荷」的な空気感はない。 むしろ“老いは街の一部”であり、人々の生活に潤いを与える重要なピースのように扱われているようにも感じられる。 そんなポルトガルの老いに対する空気を、もっとも軽やかに表現しているプロジェクトが 「ア・アヴォ・ヴェイウ・トラバリャル(A Avó Veio Trabalhar。 以下アヴォ)」だ。 直訳すれば「おばあちゃんが働きに来た」。 しかし、その活動の本質は「働く」以上に、“老いの再創造”とも表現したい、可能性に満ち満ちている。 アヴォは、リスボン在住の高齢女性たち、いわゆる“おばあちゃん”が主役となるクリエイティブ・プロジェクトである。 おばあちゃんたちは、刺繍や編み物、伝統技術をベースにしつつも、現代的なデザインやポップカルチャーを組み合わせ、唯一無二のアートやプロダクトを生み出している。 そこには、よくある高齢者支援という福祉的な文脈は存在しない。 代わりにあるのは、“人生の後半だからこそできる創造”をめいっぱい開花させる場である。 優しい光が射し込むスタジオで、刺繍に勤しむおばあちゃんたち優しい光が射し込むスタジオで、刺繍に勤しむおばあちゃんたち。 出典=乾祐綺『ポルトガル人のほどよい生きかた』(クロスメディア・パブリッシング) おばあちゃんたちの技術をベースに、スタイリッシュなデザインを使ったさまざまなアイテムをつくり、発信し、販売につなげるプロジェクトがアヴォのプロジェクト。 活動の発端を、ファウンダーの一人であり、デザイナーのスザナに聞いた。 「小さいころ、両親は共働きだったからおばあちゃんに育てられました。 おばあちゃんは刺繍をいつもしていて、私もそういったクリエイティビティが好きでした。 学校ではデザインを選び、1年間ミラノにも留学しました。 最初はデザインに感動しましたが、表面的なものだけに思えてきました。 モノにデザインを施して、もっとおしゃれに、もっと高く売れるようにするものでした。 私はもっと社会のために、QOL(Quality of Life)を高めるために働きたかった。 ポルトガルに戻り、福祉施設でボランティアを始めました。 そこで目にしたのは、おばあちゃんたちが伝統的な刺繍する姿でした。 私はおばあちゃんたちに、もっと斬新で、もっとカラフルな刺繍をすることを勧めてみました。 すると彼女たちの才能は一気に開花しました」 アヴォの刺繍作品アヴォの刺繍作品。 彼女たちの人生も表現されているような美しさがある。 出典=乾祐綺『ポルトガル人のほどよい生きかた』(クロスメディア・パブリッシング) アヴォのスタジオでは、いつもおばあちゃんたちが自由に笑い、自由に手を動かし、自由に作品のアイデアを語り合う。 「これよりもっと派手にしたらいいわ」「この色は私が若いころに好きだった色よ」。 その会話のどれもが、歳を重ねた人特有の余白とユーモアに満ちている。 そして驚くべきは、彼女たちの作品が、ただ「かわいい」「面白い」だけではないということだ。 そこには、ポルトガルの歴史、女性の生き方、移民や多文化の影響など、複雑な要素が織り込まれている。 アヴォの刺繍は、単なる技術ではなく、人生そのものが布の上に立ち上がるような厚みを持っている。 それが世界中のデザイナーや企業の目に留まり、コラボレーションへと広がっている。 古きよき伝統と、洗練されたデザインの融合。 プロジェクトには注目が集まり、有名ブランドから刺繍の依頼が入ったりもするようにもなっている。 ポルトガルだけでなく、欧州各国で名のしれたプロジェクトになっているのだ。 だが、本当に心を動かすのは、作品そのものではなく、おばあちゃんたちの表情だ。 アヴォに参加する前は、孤独を抱えていた人もいる。 家族が遠くに住む人、配偶者を亡くした人、社会との接点を失いかけていた人も少なくない。 ※以下出典先で…